欧州プレミアムに匹敵する“いいモノ感”が人気の秘訣。二代目「ホンダ・ヴェゼル」【最新SUV 車種別解説】

21年4月登場の二代目ヴェゼルの人気は未だに衰えない。ホンダ独自の「Honda CONNECT」は、車内Wi-Fiやスマホがデジタルキーになるなどパーソナルな利便性も向上。どのシート位置でも上質かつ快適な乗り心地だ。ハイブリッドモデル、ガソリンエンジンモデルともにおすすめできる一台である。
REPORT:青山尚輝(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:河辺ほのか

使い勝手や車載通信が大進化 e:HEVの走りはクラス最上

藤井 風の名曲「きらり」がTVCMに流れる中でデビューした二代目ヴェゼルの勢いが止まらない。2021年4月〜22年3月期の乗用車販売台数ランキングで堂々の9位。現在でも数多くのバックオーダーを抱えているほどだ。

そんなヴェゼルは1.5lエンジン+2モーターのハイブリッド=e:HEVモデルをメインに据え(1.5lガソリン車も用意)、水平基調のスタイリングによる欧州プレミアムSUVに迫る存在感に加え、上質なデザイン性をもち合わせる。

エクステリア

ハイブリッドのみに設定する「PLaY」は、オレンジの加飾が印象的で、ツートーンカラーも相まって、 遊び心ある雰囲気が漂う。「PLaY」と「Z」 は18インチアルミホイールを履く。最小回転半径は5.5m。

駆動方式はFFと4WDを揃え、特にリアルタイムAWDモデルはプロペラシャフトを介した本格的な4WD性能を備えつつ、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトによって、後席のフロアはほぼフラット。デザイン、パッケージ、そして新世代コネクテッド技術を搭載した車載通信モジュール「Honda CONNECT」を通じた「Honda Total Care プレミアム」を用意し、スマホのデジタルキー化、車内Wi-Fiまで提供するなど、その進化は著しい。

乗降性

運転席に乗り込めば、まずは全方向の視界の良さと、大型化されたシートの上半身を包み込むような掛け心地の良さ、背中の優しいホールド感が好ましい。エアコンが苦手な人でもエアコンのそよ風アウトレットによって心地良い空調環境が得られるのも美点だ。

インストルメントパネル

ホンダらしく前方左右の視界が良く、開放感の高さも印象的だ。撮影車両の「PLaY」は、ライトグレージュとブラックの組み合わせに、ステアリングのオレンジステッチ、センターコンソールの朱色の加飾も相まってモダンなムードが演出されている。フルオートエアコンが全車標準で、「Z」にのみ左右独立温度調整式を備える。

また、現行フィットから採用されたオペレーター対応のSOSボタン、トラブルサポートボタンも備わるため、出発前、出発後ともに安心感は絶大だ。後席にしても乗降性は文句なく、フラットフロアと先代比+35mm、身長172cmの筆者のドラポジ基準で、上級のCR-V並みの約290mmものニースペースが確保されるのだから居心地は抜群と言える。

居住性

販売比率のほとんどを占める、18インチタイヤを履くe:HEVモデ ルを走らせれば、まずはフラットかつプレミアム感ある乗り心地の快適感に満足できる。特に4WDモデルはコンフォート寄りの足まわりにセッティングされていて、このクラスのコンパクトクロスオーバーSUV最上の乗り味と断言できる。動力性能はズバリ、ジェントルなもの。

つまりe:HEVモデルは先代の1モーターから2モーターになり、モーターパワーで大きく上回るものの、過剰な速さはなく、あくまでもスムーズかつ静かな加速力に徹しているということ。もちろん、エコ/ノーマル/スポーツが選べるドライブモ ードをスポーツにセットすれば加速力が強まり、また減速セレクターでパドルシフト的な使い方もできるから、キビキビした走りにも対応する。

うれしい装備

「Honda Connect」の対応によりスマホアプリを使うことで、スマホがデジタルキーになる。ドアのロック/アンロックのほかエアコンの設定も可能だ。駐車場で愛車を探す際も地図上で位置を探せる。
ホンダ自慢の後席座面のチップアップ機構。低くフラットな床面により、観葉植物やベビーカーなどの高さのある荷物を積む際に便利だ。子どもの着替えやシューズを履き替えたりする際にも重宝する。
月間登録台数     5053台(21年10月〜22年3月平均値)
現行型発表       21年4月
WLTCモード燃費    25.0km/l※「e:HEV X」のFF車

ラゲッジルーム

一方、スペック的には劣るガソリンエンジンモデルは、e:HEV同グレード比で100kg〜も軽量なため、2名乗車+荷物満載でのロングドライブ経験からすれば、フル加速時、登坂路、エコモードのECON使用時を除けば必用十分の性能だ。16インチタイヤの乗り心地も身体に優しい。操縦感覚は先代の硬派過ぎる!?骨太さから一転、安心感と軽快感を見事にミックスした扱いやすさ、 親しみやすさが特徴だ。デザイン、内容を含む商品力は極めて高く、爆発的人気も頷ける。

※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.141「2022-2023 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

http://motorfan-newmodel.com/integration/141

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