ストレートのセンターグルーブを設定

ドライ路面でのスポーツ性能と快適性能を確保しながら、雪道も走れるオールシーズンタイヤ「ミシュラン クロスクライメート」。2015年にヨーロッパで初めて発売され、2019年には日本でも発売開始された。夏タイヤとまったく遜色ないハンドリング性能やウエット性能を持ち、乗り心地も快適。それでいて急な雪でも不安なく走れてしまう、まさに万能タイヤとして高い支持を得ている。

2021年に「クロスクライメート2」へと進化し、同時に「クロスクライメート2 SUV」もラインナップに加わっていたが、この2025年秋、「クロスクライメート」は更なる進化を果たした。それが「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」だ。

「クロスクライメート2」から「クロスクライメート3」への進化の最大のポイントは、トレッドパターンだ。Vシェイプの基本パターンは従来モデルから受け継ぐが、センターにストレートのグルーブを入れることで排水性と排雪性がさらに向上。またブロック幅を細かくしてブロックエッジを増加させ、スノーグリップを向上させている。

またサイズの異なるブロックを最適配置したことでノイズを低減。さらに接地圧を均一にすることで耐摩耗性も向上。これらの改良により「クロスクライメート2」よりもドライとスノーでのグリップが向上したことに加え、高いロングライフ性能も実現。また転がり抵抗ラベリングはシリーズ初のAAを獲得 (全35サイズ中10サイズ) したという。

パイロットスポーツの技術を投入

そして「クロスクライメート3スポーツ」は新たにシリーズに加わったモデル。名前の通り、性能の高いスポーツカーやプレミアムカーに向けた商品だ。最近はこれらのクルマのユーザーもオールシーズンタイヤに興味を示しているというデータに基づき、開発されたのだという。

専用トレッドコンパウンドであるサーマル・アダプティブ・コンパウンド2.0を採用し、ドライ&ウェットグリップを向上し、またパイロットシリーズにも採用されているダイナミック・レスポンス・テクノロジーによって高いハンドリング性能も実現した。その結果、ウェットでのラップタイムは「クロスクライメート2」よりも約2.4%短縮したという。21インチ、35扁平、295幅と、輸入プレミアムスポーツにも対応したサイズ展開を揃える。

更なるサイズ展開も予定

「クロスクライメート3」の発表を行う須藤 元社長とミシュランマン。

なお、今までラインナップされていた「クロスクライメート2 SUV」は展開されない。理由としては、あらゆるタイプのクルマに適合するので、あえてSUVと謳う必要がなくなったこと、またそうすることで逆にユーザーの選択を狭めてしまう可能性があるから、ということだった。現状、「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」はサイズが被っていないので、自分のクルマのタイヤサイズによってどちらのタイヤとなるのかは自動的に決まってしまうが、サイズ展開は今後増やす予定もあるという。

 都内で行われた発表会では、日本ミシュランタイヤ社長の須藤 元氏とミシュランマンが揃ってアンヴェールを行った。「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」は10月1日から発売される。

MICHELIN CROSSCLIMATE 3

16インチ195/60R16~205/60R16(全5サイズ)
17インチ205/40R17~235/65R17(全11サイズ)
18インチ215/45R18~265/60R18(全12サイズ)
19インチ225/45R19~285/45R19(全4サイズ)
20インチ235/45R20~275/45R20(全4サイズ)

MICHELIN CROSSCLIMATE 3 SPORT

18インチ205/40R18〜255/40R18(全6サイズ)
19インチ225/40R19〜275/40R19(全10サイズ)
20インチ245/40R20〜285/45R20(全8サイズ)
21インチ255/40R21〜295/35R21(全3サイズ)

え!? 実はタイヤの溝もデザインするんです!どんな仕事? ミシュラン・プライマシー5の進化に迫る【タイヤのデザイン探訪 前編】

日本ミシュランタイヤが1月31日に発表したPRIMACY 5(プライマシー5)は、プレミアムコンフォートタイヤとして人気のプライマシー・シリーズの最新作。今回はそのデザインに焦点を当てる。秘めたる性能をどう可視化するか? タイヤデザインの奥義に迫ろう。 TEXT:千葉 匠(CHIBA Takumi) PHOTO:千葉 匠/MICHELIN