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クレンツェ誕生30周年、スタンスネイションに歴代の名作が集結!!
1994年の誕生から長きに渡って名作を送り出し続け、数多のドレスアップフリークたちを虜にし続けてきた孤高のブランド、クレンツェ。そんなクレンツェが今年、誕生から30周年を迎えたことを記念し、今年のスタンスネイションジャパンにて特別ブースを展開。クレンツェの始まりとなったディッシュ、スポーク、メッシュという三本柱をはじめ、歴代の名作が一堂に介するディスプレイが大きな話題となっていた。
クレンツェが誕生した1994年という時代は、まだまだモータースポーツが隆盛な時代でもあり、ストリートでのカスタムもチューニングが主流。カスタムの素材に選ばれるクルマもいわゆる走り屋系が多く、「改造」が「ドレスアップ」へと変遷していくちょうどその只中にあった時代だ。
その流れを大きく変えたのが、1990年代初頭やその直前に登場、人気を誇った国産4ドアセダンたち。例えば傑作と評価されることの多いS130系クラウンや、バブル期の象徴としてもてはやされた高級車、セルシオ。2代目センチュリーやY31~Y34のセドリック/グロリアに初代シーマもその代表格で、これらが登場から数年が経過してカスタム素材として選ばれるように。それまでの走り屋系な遊び方から、日本独自の「VIP」スタイルとして大きな発展を遂げることになったのだ。
そんな時代の流れを敏感に察知し、変化し続けるトレンドにも臨機応変に対応してきたブランドがクレンツェ。カスタムホイールのパイオニアであるエルスターを生み出し、日本初のアルミ鍛造3ピースホイールであるレーシングフォージを1977年にリリースしたカスタムホイールのリーディングカンパニー、ウェッズが作り上げたVIPカーのためのブランドである。
ただし1994年の誕生当初は、カタログで言えば前から7番目の存在で。現在でこそフラッグシップとしての確固たる地位を築くクレンツェだが、誕生当初はVIPの認知度の低さもあってか、それほど大きな期待はかけられていない存在だった。そんなクレンツェのファーストモデルとなったのが、スポークとメッシュ。作品名同様の、単純明快な普遍的デザインである。そして時代はVIPの黎明期。まだまだ生まれたてのジャンルにおいて、奇をてらったクセの強い味付けでは、そこまで評価は得られなかったハズ。シンプルに美しく、力強さも兼ね備えたクレンツェのスポークとメッシュは、そんな成長を始めたばかりのVIPというジャンルとの親和性によって、広く支持される。翌年、1995年に発表された3作目のメッシュも含めて、この3本柱がVIPの王道と認知されていくのである。
そこから毎年、クレンツェは必ず新作を送り出し続けてきた。VIPの成長に合わせ、さまざまにそのデザインを深化させながら。その象徴となったのがメガヒットとなった1999年のケルベロス。クレンツェを象徴するアート作品のような三次元デザインの礎となったモデルであり、それをさらに進化させた2002年のケルベロスⅡでは、セダンだけでなくワゴン&ミニバンにまでVIPを浸透させる歴史的な存在となった。2005年にはヒネリ系の祖であるバズレイア、複雑で彫刻作品のような2014年のアクエルドなど、クレンツェならではの傑作を連発。セダン、ミニバンというジャンルを超えた、ラグジュアリーで豪華なVIP御用達のハイエンド3ピースブランドとして現在もシーンに君臨している。
そして2024年。誕生から30年を迎えたクレンツェが、これまでの年月とそれを支えてくれたすべての人への感謝を込めて、これまでの傑作をオマージュするような、クレンツェらしさを集結させた30周年記念作、34デザイン目のクレンツェを誕生させた。三次元デザインを巧みに操ったプレミアムモデル、ヴェルサム。30年をかけて成熟させたそのデザインとオーラは、VIPにはもちろん、ラグジュアリーにもプレミアムスポーツにもハマる、クレンツェならではの作品だ。
今回のスタンスネイションでの特別展示は今後、他のイベント会場でも展開される可能性があるとのこと。もしも出会えることがあれば、クレンツェの歴史を直に目にすることができるチャンス。カスタムホイールフリークであるのならば、VIPという一時代を築き上げたカスタムホイールを代表する名門ブランドの歴代作品、ぜひチェックしてほしい。
名作から最新作まで、クレンツェの歴史をプレイバック
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]