見た目はキープコンセプト、中身は大幅アップデート
3代目へと進化した新型N-BOX。エクステリアデザインは今回もキープコンセプトで、歴代オーナーでなければパッと見で違いを認識するのは難しいレベルだ。わりと変化が分かりやすいのは顔まわりで、「N-BOX」は瞳のような形をしたヘッドライトと丸穴がいくつも開けられたフロントグリル、「N-BOXカスタム」は横一文字に光るシグネチャーランプとメッキの面積を減らしたグロスブラックのフロントグリルが特徴だ。
インパネ形状はもう少し違いが分かりやすく、メーターの位置をダッシュ上部から下に移動し、ステアリングの隙間から見る一般的なレイアウトに変更。以前にも増してダッシュ上部を平坦にして、開放的な視界が確保された。
自然吸気とターボを用意するエンジンとCVTも基本的にキャリーオーバーだが、制御の見直しを実施。アイドリングストップで停止している状態からPレンジに移行してもエンジンを再始動させないことで、アイドリングストップ領域を拡大し、燃費を改善した。また、キックダウンした時の加速応答性も最適化が図られている。
最も大きな進化がアピールされているのが新世代コネクテッド技術のHonda CONNECT(ホンダコネクト)。車載通信モジュールを標準装備、対応ナビゲーションをディーラーオプション設定することで、スマホを使ったリモート操作などの各種通信機能を利用できるようになった。
また、予防安全装備のHonda SENSING(ホンダセンシング)も進化した。検知できる画角を約100度まで広げた広角カメラと高速画像処理チップを採用。アダプティブクルーズコントロールではよりスムーズな加減速支援、車線維持支援システムのLKASは、より遠くのカーブの曲率を認識した滑らかな操舵支援を実現した。
実際に高速道路を走って試してみたところ、確かにシステムの「頭が良くなっている」ことを実感。高速出口の破線を通過する時もギクシャクすることがなく、ドライバーの意思を尊重しているかのようなトレース性を確かめることができた。
そのように、見た目には分かりづらいが、中身はしっかり最新技術で進化したことが実感できる新型N-BOX。標準車は自然吸気のみの2グレードとシンプルな構成にする一方、カスタムは自然吸気とターボを設定し、外観で差別化を図る複数の仕様をラインアップ。少ない変化でバリエーションをつけつつ、価格のレンジも極力高くなり過ぎないような配慮が感じられるグレード構成となっている。
▷新型N-BOX誕生 後編はこちら
STYLEWAGON(スタイルワゴン)2023年12月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]