ショーファーカーに特化、アルヴェルとは違う価値を
レクサスから日本初登場となるミニバン、新型LMがデビュー(初代は日本未発売)。30系ではLM風に仕立てるキットなどが人気を集めたが、2代目になって正真正銘のLMが手に入ることになる。ただし、4人しか座れないにもかかわらず2000万円という価格設定。しかしその4人乗りというのがLMの真価となる。
これまでショーファードリブンの役割も満たしてきたアルヴェルだが、そういう意味での大本命は新型LMだ。室内の質感はさらに磨き上げてパーティションも用意。豪華な後席はマッサージ機能やシートヒーター/ベンチレーションを完備。48型テレビや冷蔵庫まで用意し、ロールスロイス級のおもてなしでVIPを迎える。
「ジャパンモビリティショー2023」ではPHEVの「ヴェルファイア スペーシャスラウンジ コンセプト」が4座仕様で展示されていたが、こちらの市販時は、持ち込み登録を想定しているという。ショーファーの役割を演じることができるものの、時にはステアリングを握り、趣味にも出かけるオーナー像も想定している。持ち込み登録費用を含めてもLMと同じ2000万円級になることは考えにくいので、やはりLMとはコンセプトからして違う。
LMの付加価値は、レクサスならではの静粛性や乗り心地を実現するための徹底的なNVH対策にある。リア床下ブレースをはじめ、スライドドア開口部のクォーターピラー上下の構造最適化、ルーフからクォーターピラー、ロッカー部と、大開口部の補強となるリインフォースメントを追加。レーザースクリューウェルディングと呼ぶ溶接技術や構造用接着剤などの採用、サスペンションの強化も含めて乗り心地の向上を追求した。
また、2.4Lターボと6ATの組み合わせとなるハイブリッドシステムは、アルヴェルにはなく、クラウンクロスオーバーやRX500hに設定されているパワートレーンで、駆動方式はAWDのみ。ボディサイズは、全長5125×全幅1890×全高1955㎜となり、全幅1850㎜を死守したアルヴェルよりも堂々たる体躯と風格のあるデザインが与えられている。ホイールベースは同じ3000㎜でサイズの違いは、ボディのデザイン代(しろ)と考えていい。とくに後席まわりにボリューム感をもたせ、前後タイヤの存在感を際立たせるサイドビューや緩やかな「U」字を描く横一文字のリアコンビランプ、そして「スピンドルボディ」と呼ぶ奥行き感と押し出し感のあるフェイスで圧倒的な存在感を放っている。
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STYLEWAGON(スタイルワゴン)2023年12月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]