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滑らかに馬力とトルクがアップする「CLEVER」
ハイブリッジファーストと言うと、現行ジムニーにおいて、TOYOカラーのデモカーが記憶に新しい。このクルマはハイブリッジファースト大嶋社長が、現行発売当初から熟成を進め、ダート競技において日本一を獲得した同社のJB23を打倒するべく開発を進めた車両。昨年、全日本選手権で見事日本一に輝き、JB23と互角に戦えるポテンシャルを立証した車両だ。
大嶋氏が最も苦労したという部分は、スープアップ。当初サブコンで対応していたが、それには限界がある。ようやく書き換えのチューニングが完成し、今までに増して速くなっている。
競技からのフィードバックと言うと、どうしてもピーキーなのでは? と言う印象がある。しかし、それは大きな間違いだ。土の上で、速く走るためにはトラクションを考えなければならない。さらに、大会が行われる場所は、スキー場などの山の法面が多い。勾配がキツく、そこで機動性が要求される。アクセルの開け直しなどでリニアな再加速が求められるのだ。ピーキーな特性では全く歯が立たないフィールドなのだ。さらに、「レースは走る実験室」という本田宗一郎と同じ考えで、全てのパーツが製品にフィードバックされている。
本来、大嶋氏が最も大切にしているのはストリート。その実験の場として選んでいるのがダート競技なのだ。ダート競技に求める内容は、しなやかな足廻りと、レスポンスよくトルクフルなエンジン特性。まさに現行ジムニーがストリートに求める条件と合致する。熟成が進んだハイブリッジファーストのジムニー。ECMの書き換えがこのハイパワーを実現。扱いにくさは微塵もなく、鈍重な印象だったJB64が、軽快に走っていく。乗っていて気持ちよく、楽しいと感じるこのエンジンフィールは最高なのだ。
ユーザーの要望に事細かに対応、燃料、MT、ATなど、仕様別データあり!
大嶋氏が納得いくまでテストを繰り返したというJB64用のハイスペック コンピューター クレバー。様々なチューニングに対応し、先の可能性を感じさせるこのコンピューターは、全てのユーザーを満足させることが可能だ。事細かな仕様別になっているのも嬉しい。
●ピンク:クレバー/オープン/パワーチャンバー /レスポンスジェット
●オレンジ:クレバー/純正BOX/パワーチャンバー/レスポンスジェット
●緑:クレバー/オープン/パワーチャンバー
●赤:クレバー/純正BOX/パワーチャンバー
●極赤:純正
全て普通に買える製品でここまで高性能
満を持して発売開始されたJB64用のハイスペックコンピュータークレバー。ハイブリッジファーストでは、レギュラー仕様、ハイオク仕様、さらにMT用、AT用、パワーチャンバー装着車用と細かなラインアップで対応。全てのスペックがノーマルを大幅に上回り乗りやすさは抜群。パワーグラフを見ればわかるのだが、最大出力は95PSを叩き出し、最大トルクは15㎏に迫る。ノーマルが最大出力63PS前後、最大トルク10㎏とすると、馬力、トルク共に約1.5倍という驚異的な数値を実現。
さらに、トルクカーブ、馬力カーブを見ると滑らかで、かなり低い回転域から出力が立ち上がり、落ち込みなく上昇していくのが分かる。それでいて、トルクのカーブはフラットに続く。この波形は、台形パワーカーブと呼ばれるもので、優秀なセッティングの代名詞と言える。開発に長らくかかったこともあり、かなり優秀なセッティングと言える。
さらに、JB74のセッティングは、エンジン本体はインドの大衆車だったにも関わらず、ガラリと雰囲気を変え、スポーツエンジンに生まれ変わったと思わせるフィーリングに変貌。フレキシブルで、アクセルを踏むのが楽しい。どちらも生まれ変わったと言っていいレベルに仕上がっている。
SPECIFICATION
●フロントバンパー タイプS(FRP製) 3万6300円 タイプS(ABS樹脂製) 5万2800円
●フロントスキッドプレート(アルミ) 1万7600円
●リアバンパー タイプS(FRP製) 4万1800円 タイプS-NP(ABS樹脂製) 5万2800円
●エアベンチレーションボンネット 8万8000円
●リアルーフスポイラー 3万6300円
●9㎜フェンダー 4万1800円
●牽引フックレッド(右前) 1万780円
●サイドシルガード強化タイプ 3万800円
●フェンダーシルガード 1万6500円
●スピードマイスター45サスペンションアームセット 32万7800円
●ホイールリアセンターブラックプレート(2枚セット) 3300円
●8-MAN(16×5.5J) 3万3800円
【High Bridge First(ハイブリッジファースト)】
ジムニー界において、スピード系の第一人者と言えるハイブリッジファースト。数々のタイトルをとりつつ、その技術をストリートにフィードバックし、乗りやすいクルマを作り続けている。根強いファンに支えられているメーカーなのだ。足まわりなどオリジナルパーツも豊富に揃う。
住所:京都府久世郡久御山町田井新荒見254-1 電話:0774-48-1167
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HYPER REV(ハイパーレブ) Vol.277 スズキ・ジムニー&ジムニーシエラ No.14より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]