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国内トップクラスの技術!その姿勢はめっちゃ真面目
今まで、筆者はアトリカのことをあまり知らなかった。しかし、ジムニー業界の知人に、「群馬県のアトリカさんは凄いよ! 知識レベルと技術、ハンパない! どうして媒体で取材しないの?」という話を何人も聞いてきていた。今回アポを取り、取材を敢行。群馬県まで行き、色々と話を聞いてみた。
取材対象となるJB64のデータは、かなり複雑。100を超えるデータの書き換えを行わなければならない。代表の渡邊氏に話を伺うと、「ウチは今まで様々なクルマをLINKという汎用フルコンを使用して行ってきました。書き換えができるJB64は、きちんとできるなら、ユーザーの設備投資が少なくて効果絶大なので良いですよ」とのこと。内部内容を細かく聞くと、渡邊氏はものすごく真面目。エンジンの燃焼状況をきちんと理解し、常にエンジンに無理をさせないベストな燃焼を理想としている。さらに、新しいことへの探究心が凄まじく、現状の解析状態に満足せずに、他にもっと効率の良い方法があるのでは?と、常に情報を集め、自らも試行錯誤している。
ECMの書き換えを行うカスタムにおいて、内燃機を理解しているチューナーとECMに精通している技術者が同一でないことが最も大きいリスク。意思疎通がきちんとできず、意図した結果にならないことが多い。しかし、渡邊氏は自らが内燃機を扱うチューナーであり、ECMを書き換える技術者でもあり、ジムニーで走るドライバーでもある。これはかなりの強み。ユーザーが求める内容を瞬時に理解し、どこをどう触ればいいのかわかるというのは、対応も速く、話が早い。
さらに驚いたのは設備だ。かなり広い敷地に綺麗な建屋。そこの一室に、変更内容や、現状確認で使用するダイナパックが設置されている。「僕がやりたい事をやっているだけですよ」という渡邊氏だが、その技術レベルは間違いなく国内トップレベルだ。
徹底的なリスク排除で高効率化
今回、渡邊氏にJB64のECMデータについてかなり詳細に説明してもらった。JB64のECMは、ざっくり解説するとエンジンを稼働させるパートを複数に分け、空燃費、ターボ関連、点火関連、吸入空気関連、ドライバーからの操作関連などを電子制御でコントロール。それらをトルクリクエストマップという根幹となるマップに近づけるための演算を常に行い、求める性能に対して各パートが同時に動き最適値を求めるという制御とのこと。さらに設定値から大幅に外れている場合や、ドライバーの操作のクセなどを考慮し、自己学習までを行なっている。
この説明が、どこで聞くよりもわかりやすく、難易度が理解できた。同時にセッティングのリスクまで説明してもらったのだが、渡邊氏の考えは徹底的なリスク排除。その上での高効率化を行う。純正のエンジンセッティングは、あえて大きなマージンをとっているのではなく、複数の人間がそれぞれバラバラで開発を行なっているから。
知識レベルの違いだけでなく、考え方も違う。それを一人の人間がキチンと均一にリスク管理を行うだけで適正なマージンを残しつつ、高効率化が可能。さらにメーカーには最大出力に関して自主規制枠がある。これが大きな足枷だが、これに法的根拠はない。渡邊氏は、本来、R06Aが健康に出せる出力を発揮させてやってるのだ。追加でモアパワーを求めるのも可能だが、書き換えでは、キチンと健康体にする事を最優先している。その作業だけで、出力80PSリーチ、トルク10㎏越えとなるのだから、渡邊氏の技術は凄まじいと言えるだろう。
●価格:ストリートレギュラー仕様(MT車) 5万5000円、ストリートハイオク仕様(MT車) 8万8000円、ストリートレギュラー仕様(AT車) 5万5000円、ストリートハイオク仕様(AT車) 8万8000円
●適合:JB64ジムニー
●価格:ストリートレギュラー仕様(MT車) 5万5000円、ストリートハイオク仕様(MT車) 5万5000円、スポーツハイオク仕様(MT車) 8万8000円、ストリートハイオク仕様(AT車) 8万8000円
●適合:JB74シエラ
DIYで簡単脱着可能、通販対応も行なっている
アトリカでは、通販対応も可能となっている。今回、脱着作業を見せてもらったのだが、かなり簡単にECM本体は外すことができた。ただし、外した場合その間クルマは全く動かせなくなるので要注意だ。さらに、装着は逆の手順でオッケーなのだが、バッテリーターミナルを外した場合、ナビの初期設定、時計の再設定、スロットル、エアコン、パワーウィンドウなどの初期設定が必要となるので、その作業は必ず整備工場などで確認するか、理解している人の元で行うようにしよう。
【AToRiKA (アトリカ)】
住所:群馬県邑楽郡邑楽町狸塚445-1 電話:0276-55-2110
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HYPER REV(ハイパーレブ) Vol.277 スズキ・ジムニー&ジムニーシエラ No.14より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]