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アルファードにくわえ、ちょっとヤンチャなヴェルファイアも登場
▷スタワゴ的名車ヒストリー TOYOTA・アルファード&ヴェルファイア編 まとめはこちら
ミニバンに限らず、FF化というのは時代の趨勢であり、FRを重視するのはサルーンぐらいだ。グランビアからアルファードに進化する際にFRからFFへと変更したのも当然だろう。
トヨタにはすでにFFのミニバンがあったのも有利に働いた。初代アルファードはエスティマをベースとしている。さらにさかのぼればカムリになるが。
FF化すればフロア下センターにプロペラシャフトが不要になるので、パッケージング的にも有利になる。グランビアでの反省というわけではないだろうが、各部の作りに抜かりはなく、現在のアルファードのキャラクターが初代でできあがっていることがわかる。大型グリルを採用する存在感のあるボディに、広い室内と豪華な装備を誇った。
エンジンはクルージングを難なくこなし、ストレスのない走りを楽しめる余裕たっぷりの3ℓV6に加え、2.4ℓの4気筒も用意。少々、非力感はあったものの、結果としてはこの4気筒モデルが大正解で、比較的リーズナブルな価格で提供され、維持費も安かったことなどから、モデル末期まで安定した人気を保つことに成功した。
Lクラスミニバンというカテゴリー自体もミニバンの頂上界に君臨するに至る。先駆車であるエルグランド、王者アルファード、そして後発となるホンダのエリシオンの三つ巴状態。当然、アルファードが頭ひとつ抜けた状態だったが、エルグランドはなぜ先手を打ってモデルチェンジをぬかりなく行わなかったのは不思議なところ。アルファードのヒットは出来がよすぎるのは当然だが、ライバルの自滅もあったのは事実だ。エリシオンについてはサイズがひとまわりほど小さかったのと、日本流の高級ミニバンとは言いがたく、装備面での作り込みに欠けるなどして最初から苦戦していた。
そしてもうひとつ、アルファード、さらにはトヨタ車の強みとなったのがハイブリッドの設定だ。初代登場の1年後に追加されていて、こちらもエスティマのハイブリッドをベースにしていて、トヨタ自慢のE-Fourを採用していた。当時はまだハイブリッドというとプリウスといった燃費専用モデルというイメージが強くて、ミニバンに採用されるというのはとても斬新なことだった。
ちなみにSUVでのハイブリッドの採用は2005年のハリアーとクルーガーが最初なので(世界でも2番目)、アルファードはかなり先駆けていたということがわかるし、販売を後押ししたのも事実だろう。
名実ともに高級ミニバンナンバーワンという座に躍り出たアルファードは2008年のモデルチェンジで、兄弟車としてヴェルファイアを追加。Lクラス=押し出しの強さが人気とも言え、アルファード以上の人気を獲得した。ヤンチャ感もプラスした特別仕様車も人気で、その地位を不動のものとした。その後2015年に30型となり、ミニバン王者の血統は現在の40型にしっかりと受け継がれている。
大ヒットもあって初代からのキープコンセプトではあったが、さらなる広い層を取り込むべく、精悍なイメージの兄弟車ヴェルファイアも登場させている。280psを発揮する3.5ℓV6は余裕のクルージングが楽しめた。また従来通り2.4ℓ直4も搭載する。内外装ともに高級感に磨きをかけて他の追従を許さず、本来のライバルであるエルグランドを大きく引き離して独走状態となった。8人乗りも用意するが主力は7人乗りで、上級モデルには贅沢なエグゼクティブパワーシートを新設定しているのも注目だ。また途絶えていたハイブリッドモデルがマイナーチェンジを機に復活したのも大きなトピックスで、2.4ℓエンジンのE-Fourを採用していた。登場時のJC08モード燃費は17.0km/ℓと、それまでのミニバンでは考えられない、好数値を誇った。
初代ヴェルファイア登場
マイチェンでハイブリッドが復活
エグゼクティブラウンジを新設定した3代目
唯我独尊、ライバル不在。ミニバンの枠を越えた最高峰の高級サルーンとなった。ロアグリルと一体化した超大型のメッキグリルを採用するなど、デザインに磨きをかけてますます存在感が増した。内装はファーストクラスをかかげて登場したエグゼクティブラウンジは衝撃的ですらあった。エンジンは3.5ℓ V6がそのままで、直4はハイブリッドを含めて2.5ℓのみとなった。先代ではゴツゴツ感があったリヤサスはダブルウィッシュボーンに変更することで、しなやかで安定感のある乗り味を実現している。
ヴェルファイア初のフルモデルチェンジ
超高級&スポーツ!ワークスカスタムの世界
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STYLEWAGON(スタイルワゴン)2024年6月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]