シャコタンが超似合う! カスタムベースとして大ヒットした3代目【スタワゴ的名車ヒストリー オデッセイ編 後編】

あなたが好きだったのは? 涙目、低床、廃止から復活へ! オデッセイ激動の歴史をたどってみた

ミニバンは1980年代の半ばに北米で誕生し、瞬く間に大ヒット車に成長した。日本の自動車メーカーにとっても北米は第一の市場だけに、とても無視できない。そこで北米に強いホンダが送り出したモデルが初代オデッセイ。そして2代目へのモデルチェンジ、さらに現行モデルまでの歴史をフィードバック!

3代目で低床プラットフォームへ大変更!

初代オデッセイは売れに売れ、1999年までに国内のみで43万台以上販売された。当時「3ナンバー車販売台数1位」の座に君臨していたトヨタのクラウンを抜き、ナンバー1となることも珍しくなかった。

これほどの大ヒット車の後継モデルとなれば、そのコンセプトを変えるのは愚の骨頂だ。1999年に登場した2代目オデッセイは、まさに初代の正常進化版と言える内容だった。

インパネシフトを採用したり、スペアタイヤをフロア下収納に変更したり、ミニバンとしての使い勝手は大きく向上してはいたが、最大の進化点は走行性能だった。まさにセダンなどに引けを取らないドライバビリティ。2001年にはチューニング仕様ともいうべきアブソルートを新設定した。アブソルートは並のセダンを凌ぐ、スポーツカーといえるほど、異色のミニバンに仕上がっていた。

2代目オデッセイは初代には及ばないものの、国内的には十分なセールスを記録していた。だがホンダはさらに勝負に出る。

ミニバンとはある程度の高さを確保し、それによって室内スペースを獲得し、3列シートを備えるというのが常識。2003年登場の3代目オデッセイでは、そんな常識も打ち破ってしまう。FF車の全高をわずか1550mmに抑え込みながら3列シートを達成していたのだ。これは当時の立体駐車場を利用することが可能な高さだった。

そのカギとなったのが低床プラットホーム。つまり床を極限まで低くしたのだ。レーシングカーやスポーツカーは例外なく車高が低い。旋回性能などが高くなるからだ。だが全高を低くすれば当然室内空間は限られる。あえてそれを容認し、スポーツカーのような軽快なハンドリングを手に入れようとした。3代目オデッセイは、ドライバーが我慢を強いられない、運転して楽しいミニバンだった。

4代目オデッセイも3代目オデッセイの延長線上にある。走行性能はいよいよ洗練を極め、ミニバン史上に残る確かなハンドリングを達成していた。

だがホンダにとっての誤算は、この頃トヨタ・アルファードなど高い全高で室内の広いミニバンに人気が集まりつつあったことだ。実際、初代オデッセイに追従して登場した背が低めのミニバンたち(日産プレサージュなど)は、次々と姿を消していった。当の4代目オデッセイも苦戦を強いられた。

そこで2013年登場の5代目オデッセイでは室内空間に舵を切った。3列目を3人がけとし8人乗りも設定。またオデッセイ初の両側スライドドアも採用するなど大変革を行った。

だが低床化技術を活かして、5代目は全高約1.7mで室内高はFFで1325mm。一方当時のエスティマは全高約1.8mで室内高は1255mm。つまり高さ効率はオデッセイがはるかに上だった。ただし、市場自体が大きく変わっていたが。

日本に「ミニバン」を根付かせたオデッセイ。その輝きは自動車史に名を刻むだろう。

キープコンセプトで正常進化した2代目

ホンダの車種でも歴史的な大成功モデルとなった初代オデッセイ。そうなれば、その後を継ぐモデルは当然、そのコンセプトを踏襲する。2代目オデッセイはまさにそうで、スタイリングや室内、メカニズムなど初代モデルを徹底的にブラッシュアップしたモデルとなった。スペアタイヤを床下収納へと変更することで広さと利便性が向上。2.3Lと3LV6エンジンを搭載するのは先代同様だが、シャシーやサスペンションも徹底的に煮詰められ性能は大きく向上。ゲート式のインパネシフト採用で操作性もアップするなど、走行性能もますます磨きがかけられた。

超低床&車高で独特のスタイルとなった3代目

初代ほどではないが、2代目も好調なセールスを続けていた。だがホンダは大きな賭けに打って出る。ミニバンとはある程度の車高があって広い室内空間を得るクルマ、という常識への挑戦だった。3代目オデッセイは3列シートを確保しながら、FFモデルで全高1550mmという普通車並みの低全高を達成。低床・低重心路線は、ミニバンらしからぬ低フォルムと高いドライバビリティを得た。V6は消滅し、全車2.4Lエンジンを搭載。通常モデルは160ps、スポーティなアブソルートでは200ps(FF)と高出力となり、極めて高い運動性能を誇った。

オデッセイらしさが薄くなった(!?)4代目

2代目と同様の手法で、先代モデルを全方位でブラッシュアップした。低床・低重心路線を継承し、先代よりわずかに低い全高1545mmを達成(FF)。通常モデルは173ps、アブソルートは206ps(FF)とパワーアップされた2.4Lエンジンとなった。ミニバンとしては室内はそこそこの広さだが、セダンを凌ぐほどの極めて洗練された走行性能を達成した。

一旦廃止からの復活劇を遂げた5代目

コンセプトを方向転換。低床技術を発展させながら全高約1.7mを確保し、さらにオデッセイ初のスライドドアを採用。室内空間は先代より大幅に拡大し、3列目シートは3人がけとなってオデッセイ初の8人乗りも用意した。エンジンは当初2.4Lのみだったが、2016年にはハイブリッドモデルも追加。2022年に生産終了したが、翌2023年、中国生産車を輸入販売することで復活した。 

ホンダらしさ全開、アブソルート

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STYLEWAGON(スタイルワゴン)2024年7月号より

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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