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オデッセイに続いて、スマッシュヒット!
1980年代後半から、パジェロなどクロスカントリー4WDやワンボックスカーなどのRV(レクリエーショナル・ビークル)が人気を集めていた。
困ったのはホンダだ。ホンダは伝統的にスポーティなイメージを持たれていた。クロカン4WDやワンボックスなどのRV車を製造してこなかったのだ。仕方なく1993年にジープ・チェロキーを自社販売店で扱ったり、1994年にはいすゞ・ビッグホーンのOEM車であるホライゾンの販売などでなんとか糊口をしのいでいた。
だが満を持してRV路線を展開する。それが「クリエイティブ・ムーバー(生活創造車)」だった。第1弾として1994年に登場したのが日本にミニバンを根付かせた名車、オデッセイ。第2弾が1995年に登場したコンパクトSUV、CR-Vである。そして第3弾が初代のステップワゴンだった。
さらに背景を説明する必要がある。1990年代に入って取り沙汰されたのが、クルマの安全性だ。衝突試験が課せられることが決定する。そこで困ったのがワンボックスだ。キャビン前方が絶壁スタイルのワンボックスカーでは、衝突時に衝撃を吸収するクラッシャブルゾーンが絶対的に足りないからだ。
その対策で、ワンボックスカーは前方に短いノーズを備えたミニバンスタイルへと進化していったのもある。とはいえ、中身は1列目シート下にエンジンを搭載し後輪を駆動するキャブオーバー型が当初は多かった。
ミニバン市場への参入を目論んだホンダだったが、困ったことにホンダはワンボックスカーを作った経験がない。つまりキャブオーバー型のクルマは未経験だった。そこでホンダは得意とする通常のFFモデルをベースにミニバンを作ろうと考えた。ワンボックスがあった他社にはない発想だった。
そしてできあがったのが、1996年に登場した初代ステップワゴンである。FF車ベースのメリットでライバル車に比べて圧倒的に低いフロアを達成。そのことにより広大な室内スペースを生み出すことができた。
さらに他社のワンボックスミニバンと異なり、商用バンを設定しなかった。コスト面や乗り心地など、商用ユースではどうしてもネガとなる部分が出てくる。だがステップワゴンにはそれがなく、乗用車そのものだったのだ。
スペースマックス!清いキャラクターの初代ステップワゴン
ステップワゴンにも設定された〜フィールドデッキ〜
キープコンセプトで人気継続! 2代目ステップワゴン
誕生のきっかけ、ライバルたちとの三つ巴
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STYLEWAGON(スタイルワゴン)2024年8月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]