1990年に登場以降、約30年間愛され続けた大人気ミニバン! スタワゴ的名車ヒストリー【エスティマ】編

2ストエンジン搭載予定だった!? 初代エスティマ、TCRは画期的存在としてデビュー

1990年 初代エスティマ
1980年代半ばに北米でミニバンブームが巻き起こると、日本の自動車メーカーも対応に追われた。極めてコンサバティブと見られていたトヨタが、ミニバン市場に投入したクルマは極めてユニークで斬新なもの。そのクルマこそ、1990年に発売され、以降約30年間愛され続けたエスティマである。

天才タマゴ、画期的な内容で登場!

1983年、クライスラーがダッジ・キャラバンを発売。比較的コンパクトな3列シート車だった。これが大ヒットし、この手のクルマがミニバンと呼ばれるようになり、北米でミニバンブームが到来した。

日本の自動車メーカーにとって北米は極めて重要な市場だ。このブームにも乗るしかない。トヨタにはダッジ・キャラバンのようにFF車ベースのミニバンか、あるいは日本で親しまれてきたワンボックスカーのようなミニバンという2種類の選択肢があった。普通に考えれば確かにこうなる。だがしかし、トヨタは第3の道を選んだ。

話は少しさかのぼる。この当時、トヨタは2ストロークエンジンの研究・開発を行っていた。その名の通り、2ストロークは通常の4ストロークエンジンに比べて半分の行程なので、よりコンパクトでしかもハイパワーが得られることもあって、その可能性に着目していたのだ。実際1989年の東京モーターショーには、2代目ソアラをベースにして2ストロークエンジンを搭載したS-2 XVというクルマを出展していた。

初代エスティマは2ストロークエンジンの搭載を目論んで開発されていたのだ。なるほど小型でハイパワーのエンジンなら、室内スペースを大きく確保できるし、走行性能も期待できる。そこでエンジンのスペースがコンパクトな床下に搭載するという、ミッドシップの採用に至った。

だが、うまくはいかない。肝心の2ストロークエンジンは排ガス規制などクリアできず開発を断念してしまう。とはいえミッドシップは活かしたい。そこで4ストロークにしつつ、2.4L 4気筒エンジンに手を加え、75度傾けて狭いエンジンルームに強引に押し込んだ。

こうして通常スーパーカーが採用するミッドシップの初代エスティマが誕生した。「天才タマゴ」というキャッチフレーズの通り、未来感の漂うモノフォルムは斬新。3列シートを備える明るく広い室内も新鮮で、ミッドシップならではのシャープなハンドリングも魅力だった。

主戦場の北米ではプレビアを名乗ったが、残念ながら人気は今ひとつ。この頃、ミニバンはV6モデルが主力となっており、4気筒のプレビアは非力と見なされたのだ。日本でもエスティマは高価で大きすぎるという理由から、残念ながら爆発的な人気を得ることはできなかった。

ミッドシップレイアウトに加え、丸みを帯びた近未来感漂うワンモーションフォルムから「天才タマゴ」と謳った初代エスティマ。搭載エンジンは135psの2.4Lのみだったが、1994年に160psのスーパーチャージャー仕様を追加設定した。室内も未来感にあふれた斬新なデザインで、コラムシフトを採用することで後席へのウォークスルーもできた。国内においては爆発的な人気、とはならなかったが、約10年間愛されロングセラーとなった。

前代未聞!弟分のエスティマ ルシーダ/エミーナ追加登場  

前代未聞、エスティマを5ナンバーサイズに縮小した通称「子エスティマ」。親と同様の2.4Lに加え、こちらは2.2Lのディーゼルターボも搭載し、なんとMTも設定した。大人気だったが、あるクルマの登場でセールスは急降下する。

MCでエアロ仕様アエラス追加

スタワゴ的名車ヒストリー【エスティマ】編 まとめはこちら

STYLEWAGON(スタイルワゴン)2024年9月号

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

左ハンドルのTCRエスティマ!? 超希少なプレビアで参上!

宮城を本拠に、数多のハイレベルな車両をプロデュースしてきたプロショップ、ティーセレクション。ショップ主催イベントはミニバン・ワゴン限定から始まり、オールジャンルへ発展。ユニークなのは菅生を舞台にサーキットランまでプログラムにあること。そんなビッグイベントに参加したオーナー等をクローズアップ!

東北の大人気カスタムイベントが遂にファイナル! 伝説の初代TCRエスティマも大挙襲来!

宮城を本拠に、数多のハイレベルな車両をプロデュースしてきたプロショップ、ティーセレクション。ショップ主催イベントはミニバン・ワゴン限定から始まり、オールジャンルへ発展。ユニークなのは菅生を舞台にサーキットランまでプログラムにあること。そんなビッグイベントに参加したオーナー等をクローズアップ!

黒塗装でイメチェンしたフェイスがシブい! トヨタ・エスティマでアゲスタイル、超ワイルドです!|アゲバン最前線

【アゲバンカスタム最前線 Vol.1】プラドやジムニー、RAV4は当たり前のようにアウトドアスタイルが流行っているが、実はミニバンにもブームが来ている。家族で乗るにはSUVでは車内空間が物足りない、でもオフ車風のカスタムがしたいんだというマニアックでぶっ飛んだ人達を皮切りに、徐々に浸透中。では、そんな方々がパーツ薄の中、どんな仕様にしているのか、今回はアゲバンの集まり「Age-Vanファンミーティング」にてじっくり取材してきました!

キーワードで検索する

著者プロフィール

stylewagon 近影

stylewagon