タイヤ&ホイールの“ハミ出し”はどこで測定するの? すべて完全に収まっていないといけない?【令和版! 車検の◯と× #002】

タイヤ&ホイールの【車検基準】カッコいいホイールを履きたいけど、“ハミタイ”ってどーいうこと?

チューニング&ドレスアップの基本であるタイヤ&ホイール。速く走るためにも、カッコ良く仕上げるために重要な項目だ。ツラの具合など気になるトコは多いが、安全に愛車を楽しむためにも、“基本”も再確認しておこう。

Q.“ハミ出し”はどこで測定するの? 完全に収まっていないといけない?

A.規定の範囲で収まっている必要がある

ホイールはボディからハミ出してはいけない、というのが基本となるが、実は測定する基準が設けられており、ホイールの中心真上を0度として、前30度、後ろ50度の範囲でハミ出していなければOKとなる。極端な例だが、この範囲さえ収まっていれば鬼キャンで下方がハミ出ていてもセーフなのだ。逆に後端が絞り込まれている社外フェンダーなどは50度の範囲にかかっていないか注意したい。ホイールデザインやキャンバーの角度なにより、リムだけ内側に入っていればいいという勘違いもされがちだが、どの部分でも左図の30度/50度の三角地帯はハミ出し禁止となる。なお、一部ディーラーなどは自社ルールでNGとなる可能性もある。

Q.インチアップはOKですよね? 

A.インチアップそのものは問題ない!

ホイールのインチアップはクルマをよりスポーティに魅せるために効果的なカスタマイズのひとつ。メーカーによってはオプション品としてインチアップサイズのホイールを用意していることからも分かるように、当然ながらインチアップは車検には全く問題のないカスタマイズとなる。ただし、前述のようにボディからホイールがはみ出してしまうようなインチアップはNGとなる。また、極端なインチアップはホイールの重量がかさんでしまい運動性能が低下してしまう可能性もあるので、見た目と性能のバランスを考えてチョイスするのがベターだ。

Q.タイヤ外径が大きくなっても良い? 

A.大きすぎると車検NG等々の可能性も!

アゲ系カスタマイズなどでオフロードテイストのタイヤを装着する場合などは、純正サイズに比べて外径が大きくなるタイヤをチョイスすることも少なくない。タイヤの外径が大きくなることでスピードメーターが表示される速度よりも実際の速度の方が高くなるが、この速度差があまりに大きくなると車検NGとなってしまう。誤差範囲は年式によって異なるが概ね10%以内がひとつの目安となるので、外径アップもこの範囲に留める方が安心だろう。また外径アップによってボディにタイヤが干渉する場合も車検NGとなるので、その点も考慮したい。

ホイールの素材や製法は関係する?

ホイールの素材はスチール製とアルミ製が一般的なものとなるが、中にはマグネシウム合金製のものやカーボン製というものも存在している。ホイールは材質がなんにせよ、国土交通省の定める基準をクリアしているものであれば車検は問題なく、その基準をクリアした証であるJWLの刻印があるものであれば安心だ。

タイヤはハミ出してもイイの?

ホイールのハミ出しは前述のように決められた角度の中で納まっていなければならないが、その範囲内であってもタイヤのみであれば10mm以下のハミ出しはセーフとなる。そのため、旧車テイストの扁平率の高いタイヤやオフロード系のムッチリしたタイヤ、レター部分が肉厚なホワイトレタータイヤなどもタイヤのみであればOKだ。

スリックタイヤを履きたいんだけど?

F1マシンが装着するようなスリックタイヤ。特定の条件下であれば圧倒的なグリップ力を発生してくれるものだが、溝が存在しないため例え新品でも車検はNGとなる。モータースポーツに特化した申し訳程度の溝が存在し、公道走行OKとなっているものも存在はしているが、日常使用はほぼ考慮されていないためオススメはできない。

ホイールには規格が存在する! JWLの刻印がある製品を選びたい

市販ホイールのほとんどに刻印されている「JWL」の文字。これは国土交通省が定めた「乗用車用軽合金製ディスクホイールの技術基準」に適合している証明であり、これが刻印されているホイールであれば車検は問題ないと考えていいだろう。なお、バスやトラック向けには「JWL-T」というものが設定されているのだ。

スペーサーはNGではない!?

気に入ったデザインのホイールなのにピッタリのサイズがないときや、ツライチを狙うときの微調整に使われるスペーサー。大きくホイールを外側に出すことができるワイドトレッドスペーサーや、ミリ単位での調整に重宝する挟み込みタイプのスペーサーなどがあるが、キチンと取り付けがなされていればどちらも車検はOKだ。

タイヤの規格に注意し空気圧設定を

ロードインデックスとも呼ばれる荷重指数は、既定の条件下でそのタイヤが支えることができる最大負荷能力を示す数値。車両重量に対して荷重指数の低いタイヤを装着するとタイヤの損傷にも繋がり、重大な事故に繋がる可能性もある。XL規格のタイヤでは空気圧によっても異なってくるので、空気圧チェックも大切な要素となる。

※本特集で掲載している車検の情報は、陸運支局ごとの判断などにより見解が異なる場合がありますのでご注意ください。また、 整備不良や不正改造の取り締まりと見解が異なるケースもあるので、ご自身の責任にてカスタマイズを行ってください。

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SUBARU STYLE(スバルスタイル) Vol.9より

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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