これが軽の次世代スタンダード!
しばらく販売をお休みし、新型が待たれていたムーヴが待望のフルモデルチェンジを実施。その最大のトピックは、本家ムーヴとしてははじめてとなるスライドドアの採用だ。
これまで派生車種の「ムーヴキャンバス」にはスライドドアを組み合わせていたものの、本流となるムーヴは初代デビューから一貫して後席ドアもスイング式としていた。しかし、7世代目となる新型ムーヴはついにスライドドア化。これは大きな転換に他ならない。
いま、軽乗用車のニーズはスライドドア車両が中心となっている。販売の頂点にはホンダの「N-BOX」が君臨し、ダイハツでいえば「タント」などが〝スーパーハイトワゴン〟に属される。ムーヴなどはそれらよりも背が低い 〝ハイトワゴン〟で、正直言って人気が下降気味。そこで人気を盛り返すため、そして従来モデルに乗るユーザーが新型へ買い替えたくなるような策としてスライドドア化が断行されたのだ。
メカニズム的には先行してモデルチェンジしていたキャンバスに準じるもの(いまやフルモデルチェンジの順番が逆転!)。そんなキャンバスとの違いは、女性的なイメージがあるキャンバスに対し、本家は筆者のようなオッサンでも違和感なく乗れるスタイルや雰囲気だろう。







室内空間が広いだけでなく、乗り心地にも優れている
タントなどスーパーハイトワゴンのアドバンテージは室内空間が広いことだが、対してムーヴなどそれより背が低いモデルのメリットはどこにあるのか? それは試乗すればすぐに理解できる。走りがいいのだ。
〝重心の高さ〟と〝重さ〟は、クルマの運動性能に大きな影響を与える。スーパーハイトワゴンに対して重心が低くて軽いタントはそれらに比べると動きが軽快で、コーナーでもグッと踏ん張る感覚があるのだ。もちろん加速だっていい。
「少しでも広い室内が欲しい」というならタントのほうがいいけれど、走りを楽しみたいというならムーヴがいい。それは断言できる。
そのうえ、乗り心地といった動的な快適性の面でも背は低いほうが有利(背が高いクルマに比べて旋回時のロールが少なくバネを柔らかくできるから)。実際に新型ムーヴは乗り心地も優れている。
ところで、新型ムーヴには自然吸気エンジンとターボエンジンがあり、筆者のオススメはターボ。パワーがあって高速道路やバイパスへの合流、そして上り坂が楽になるからだ。そのうえ、自然吸気エンジンに比べて加速時にエンジン回転数が高くなるシーンが少なく済む。その結果エンジン音が静かで、快適性にも貢献するからだ。













| グレード名 | RS | |
| 全長×全幅×全高(mm) | 3395×1475×1655(2WD)、1670(4WD) | |
| 室内長×室内幅×室内高(mm) | 2140×1335×1270 | |
| WLTCモード燃費消費率(km/L) | 24.3(2WD)、23.0(4WD) | |
| エンジン排気量・種類 | 658cc・直列3気筒DOHCターボ | |
| エンジン | 最高出力[kW(PS)/rpm] | 47(64)/6400 |
| 最大トルク[Nm(kgf・m )/rpm] | 100(10.2)/3600 | |
| 乗車定員(名) | 4 | |
| タイヤサイズ | 165/55R15 | |
| 価格 | 189万7500円(2WD)、202万4000円(4WD) |
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STYLE WAGON(スタイルワゴン) 2025年8月号 No.356より



