200万円を切る魅力的プライスからスタート! カローラの冠をつけたSUV|新車ガイド

岡本幸一郎の最旬SUV試乗2連発【トヨタ・カローラクロス編】 予想以上の高い完成度に脱帽!

カローラ譲りのプラットフォームに、上質な室内装備で人気急上昇中のカローラクロス。車名はカローラの冠をつけるが、ボディは全くの専用設計である。そして、驚くのはスターティングプライス。最廉価グレードは200万円を切る大盤振る舞い。これからSUVスタンダードになり得るクルマだろう。

これがカローラの本命か
スターティングプライスも衝撃!

いやいや驚いた。予想以上の完成度の高さだ。最初に情報を耳にしたときには、トヨタにはすでにSUVがたくさんあるのに刻むな~と思い、しかもカローラの名が付くことにちょっと違和感を覚えたものだが、実車に触れて、むしろこっちが主役という気がしてきたほどだ。

TOYOTA/COROLLA CROSS
トヨタ/カローラクロス(ZSG10系、ZVG11/15系)

〝普通〟を極めたデザインも、実にまとまりが良い。巧みなパッケージングにより車内空間も十分に確保されていて、とくに後席の広さが印象的だ。リクライニングできるのもポイント高い。膝前や頭上や頭の斜め上や横方向のクリアランスも十分で、窓の面積も広く、少しだけ前席よりも着座点が高めに設定されているおかげで見晴らしも良い。最上級の「Z」グレードならパノラマルーフも選べる。

ラゲッジはゴルフバッグが4個も入る広さがある。ただし、背もたれを前倒しすると段差が残るので、車中泊には向かない。ちなみに、他のカローラと同じように見えるインパネも、既出モデルと目に入る部分の共通性は高いが、実はSUV化に合わせて天地方向が調整されている。

試乗したのは、初期受注の9割というハイブリッドの2WDの18インチと4WDの17インチ。走りについて、TNGAに基づくプラットフォームはC-HRとの共通性が高いが、2WD車のリアサスが新開発のトーションビーム式とされたのが特徴で、マルチリンクの4WDと乗り比べるとそれなりに違うものと予想したものの、差が小さいのも意外だった。

車高を高めた分、重心も高くなるのに合わせて足まわりが固められており、乗り心地はやや硬めだが、ゴツゴツではなくコツコツという感じ。ロールが適度に抑えられていて、ハンドリングも過敏すぎず鈍くもなく、動きが素直で掴みやすいところも良い。

静粛性もまずまず。リアにも駆動力を配分するE-FOURのほうが出足はやや俊敏で、フラット感も高い。

見た目も走りもカローラという名前からイメージするよりも、ずっと上質な仕上がりだ。それでいて相当に努力して実現したというリーズナブルな価格も魅力に違いない。

〝普通〟のクルマというイメージの強いカローラだが、普通でありつづけるためには、むしろ変えていかなければならない。ひいてはこのカローラクロスを今後のカローラの中心として考えていきたいと開発陣が述べていたとおり、カローラの派生車というよりも、むしろ遅れてやってきた本命だったわけだ。

エクステリア

ワゴン版のカローラツーリングと全長はほぼ変わらないが、全幅は80mmほど広げられ、SUVらしく全高は160mmも高い。最低地上高は160mm。

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フロント

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リア

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サイド

インテリア

インテリアのデザインはカローラセダン/ツーリングと共通性が見られる。インパネは水平基調のすっきりしたデザイン。

シート

「G“X”」以外はフロントにスポーティなシートを採用。リアシートは全グレードでリクライニング機能付き。

前席
後席

ラゲッジ

ラゲッジスペースはリアシート使用時でもクラストップレベルの487L(VDA)を実現。

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通常時

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後席格納時

パワートレーン

「ハイブリッド Z」のパワートレーンは1.8L 直4のガソリンエンジンにモーターを組み合わせる。

足回り

足回りは2WD車が新開発のトーションビーム式、4WD車はダブルウィッシュボーン式を採用する。

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ダブルウィッシュボーン式

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トーションビーム式

岡本幸一郎が選ぶGOOD POINT!

後席リクライニング機能

レッドラインのセンターマークが目を引く純正交換ステアリングは、スポーティなDシェイプ形状。7㎜小径化し、表面を高級なナッパレザー巻きに仕上げた。

パノラマルーフ

「Z」グレードのみ選べる大開口のガラスルーフは、固定式を採用したため途中に仕切りがなく、見晴らしの良い開放的な空間を前後席どちらでも味わえる。サンシェードは電動で開閉できるのも便利だ。

後席エアコン吹き出し口

上級の「Z」と「S」グレードには後席エアコン吹き出し口が標準装備。前席も左右独立温度調整ができ、前席集中モードも付く。ハイブリッド車は電動インバーターコンプレッサー付き。

サイドシルプロテクター

都会派とはいえSUVらしくサイドシルがこのようにドアで覆われる形状になっているので、ボディが汚れにくく、乗降時にスソを汚さずにすむ。ただし、フロアとの段差はやや大きめ。

アクセサリーコンセントAC100V/1500W

ハイブリッド車はAC100Vで消費電力の合計が1500W 以下の電気製品を使用可能。消費電力400W 時でガソリン満タンの場合、2WD 車で約4日、4WD 車で約4.5日の給電ができる。

【SPECIFICATION】

グレード名 HYBRID Z

全長×全幅×全高(㎜) 4490×1825×1620

室内長×室内幅×室内高(㎜) 1805×1505×1265

WLTCモード燃費消費量(㎞/L) 26.2(2WD)、24.2(4WD)

エンジン排気量・種類 1797cc・直列4気筒DOHC+モーター

最高出力[kW(㎰)/rpm] 72(98)/5200

最大トルク[Nm(㎏ f・m)/rpm] 142(14.5)/3600

モーター最高出力[kW(㎰)] 前:53(72)[後:5.3(7.2)]

モーター最高出力[kW(㎰)] 前:163(16.6)[後:55(5.6)]

乗車定員(名) 5

タイヤサイズ 225/50R18

価格(税込) 299万円(2WD)、319万9000円(4WD)

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