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エンジンは全車V6ターボに換装
もりもりトルクのディーゼル復活は朗報!
ちょうど生誕70周年のタイミングで、ランクルが14年ぶりにモデルチェンジをはたした。70周年というと、クラウンやスカイラインをしのいで日本最長の歴史を誇る。
TOYOTA/LAND CRUISER
トヨタ/ランドクルーザー(300系)
200系と外寸はほぼ同じながら、顔面のインパクトが強烈なせいか、心なしか大きく見える。内容的にはTNGAに基づき、文字どおり全面刷新されていて、装備類もインフォテイメント系を含め最新のものがふんだんに与えられている。そして、31年前に80系で採用した2850㎜のホイールベースは300系にも受け継がれた。
エンジンはガソリンのV8自然吸気が廃され、V6ターボとなったのを惜しむ声がある。半面、ディーゼルの復活を喜ぶ声は大きい。
ランクルのために新たに開発された3.3Lディーゼルは、音と振動がかなり抑えられていることにまず感心する。ガソリンに対して、最大で50Nm高いトルクをずっと低い回転域で発揮し、10速になったATがスムーズに駆動力を伝えてくれるので、とても乗りやすい。市街地から高速道路まで道を問わず、2.5トン級の車体をものともせずひっぱってくれるのは頼もしいかぎりだ。
一方のガソリンも、さすがは400㎰超というだけあって伸びやかな吹け上がりが気持ち良い。ターボ化で気がかりだった低速域の扱いやすさも問題ない。とはいえ音や質感はやっぱりV8にはかなわない。そこでできるだけエンジンの音を聞こえないようにしたらしく、おかげで車内はかなり静かだ。
フットワークも、ランクルとしてはかなり身軽になった印象を受ける。これほど大柄で、軽量化したとはいえ2.5トン級の車体が、ことのほか手の内で操れる感覚があることには恐れ入る。
これには大幅な軽量化と剛性向上をはたしたフレームとボディの進化や、組み合わされる新開発のサスペンションはもちろん、エンジンやATをできるだけ低く後方に搭載して低重心化と前後重量配分の最適化を図ったことも効いているに違いない。
加えて、油圧パワステなのにアクチュエーターを用いて操舵支援機能を実現したことにも驚いたが、これが操舵フィールの向上にも効いていて、よりスッキリとした印象になっている。
さらには、E-KDSSを搭載するなどした新顔の「GRスポーツ」は、舗装路での走りの洗練ぶりが際立っていた。
舗装路でもこれだけ進化していたわけだが、実は悪路走破性がもっとスゴイらしい。オフロードを走れる機会も楽しみにしたい。
エクステリア
従来型の200系とは、全長やホイールベースなどのボディサイズ、ならびに対地障害角は変えていない。それでもトヨタSUVの最上モデルにふさわしいビッグボディは圧巻だ。
インテリア
シート
上級グレードは本革シートを標準装備。ガソリン車は「AX」以外は3列シートを備えた7人乗りとなる。
ラゲッジ
5人乗り仕様と7人乗り仕様のラゲッジスペース。3列目を格納すれば5人乗り仕様と同じ広さとなるため、積載能力は抜群だ。
パワートレーン
エンジンは3.5Lのガソリン、3.3Lのディーゼルと、2種のV6ターボを搭載。駆動方式はもちろんフルタイム4WDだ。
プラットフォーム
岡本幸一郎が選ぶGOOD POINT!
JBLプレミアムサウンドシステム
指紋認証スタートスイッチ
快適温熱シート+ベンチレーション
ドライブモードセレクト
クールボックス
【SPECIFICATION】
グレード名 ZX ディーゼル
全長×全幅×全高(㎜) 4985×1980×1925
室内長×室内幅×室内高(㎜) 1995×1640×1190
WLTCモード燃費消費量(㎞/L) 9.7
エンジン排気量・種類 3345cc・V型6気筒DOHCディーゼルターボ
最高出力[kW(㎰)/rpm] 227(309)/4000
最大トルク[Nm(㎏ f・m)/rpm] 700(71.4)/1600-2600
乗車定員(名) 5
タイヤサイズ 265/55R20
価格(税込) 760万円(4WD)