非力な商用2ボックスでありながらワンメイクレースが開催されるほど、走りの一台として評価されているのがプロボックス／サクシード。もちろん、タマ数豊富でお手頃な車両価格やMTモデル設定といった部分もあるのだが、プロサク専門店としてオリジナルパーツも多数揃えてチューニングへ取り組んで来たジャンプオフオートモービルの花本代表いわく「足まわりとタイヤ、LSDを与えるだけで驚くほど旋回性が高まって、とにかくハンドリングが楽しい。そこから速さを引き出していこうとすれば細かなセットアップが必要になりますけど、荷物もガッツリ積めてスポーツ走行まで楽しめるなんてプロサクぐらいですよ」とのこと。そんなプロサクの名手が導き出したチューンナップの内容をまずはチェックしていこう。
作手のコースレコードを目指しクルマもウデも鍛錬中!!
▶▶▶プロボックス／サクシードの最適チューン記事シリーズ一覧はコチラから！
免許取得直後に「多少ぶつけても気にならず、自転車やキャンプの趣味道具が積めて走れるクルマ」を探した際に、プロボックスしかないとの考えに至ったオーナー。
足まわりとタイヤを変えて作手サーキット主体にモーターランド三河や美浜サーキットを楽しんでいたが、クラッシュによって初の愛車は廃車に……。しかし、予測していなかった事態にもめげることなく2台目となるプロボックスを迎え入れ、新たな愛車には憧れていたジャンプオフオートモービルのフルコンや車高調、ＬＳＤを組み込んだ。
「2台目の仕様変更で走りは別物となり、自己ベストをイッキに2秒縮められました。パワーに頼らずフットワーク主体のマシンでドラテクを向上させて、さらなるタイムアップを狙っています。プロボックスはアウトドアからサーキット走行までこなせるのでお気に入りですね」。
なお、今後はエアロパーツなどスタイリング進化も構想中。どのような一台へ仕上げていくのか、期待大。
アウトドアを楽しむため、車高は控えめな低さでセッティング。マフラー交換でパワーは大きく変わらないので、快適性重視でEXマニのみを交換した。さりげないオリジナリティとしてソリッドの白を質感高い同系色で塗り替えようかと悩み中だ。
メッシュグリルにはなんちゃってTRDプレートをプラス。リップはビズ留めでレーシーさを向上。冷却性能を高めるナンバーオフセットもポイントだ。
OWNER
趣味の自転車やキャンプにも使えて走りも楽しめると、プロボックスを選んだオーナー。フルコンやLSD投入で別物のような走りになったそう。
”ジャンプオフオートモービル”のデモカーは細部までエンジンチューン
過給器チューンに頼らないパフォーマンスの引き出しを図るため、エンジンパーツの重量あわせやバランス取りを敢行。ピストンやコンロッドなど気筒間での重量差が当然のようになっているノーマルに対し、ピックアップ良さなどフィールは大幅に高まっていく。
排気効率の高さと低中速トルクを備えた4-2-1形状で、VVT-i作動ポイント付近のトルクアップまでもこだわったオリジナルタコ足。エンジンフィール改善のファーストアイテムとして最優先で投入すべき!（エキマニ■6万6000円）
3〜4万㎞で性能が低下していく純正と変えることでノーマルでも体感可能なフィールアップと燃費向上を果たすチューニングコイル。熱価不足となる純正プラグの番手アップとともに装着しよう。（ハイスパークイグニッションコイル■3万4320円）
専用ハーネスと入力済みデータでボルトオン装着を可能としたフルコンキット。フィールアップの要となるVVT-i変更やレブリミット変更など、処理速度に優れたリンクG4Xモンスーンで構築。（ポン付けLink ECUキット■27万5000円）
バランス取りしたエンジンでリセッティングすると排気効率が不足していたため、マフラー（メーカー不明）で暫定対処。チューンド仕様に最適化したマフラー製作も検討中だ。
吸排気チューンは有効だが、それ以上に重要と花本代表が提案するのはオイル粘度。早めの交換サイクル前提で0W-20などの低粘度を使うとフリクションロスが低減される。
無駄な動きを嫌ってダンパー側を引き締めてもボディ側で逃げるため、アッパーマウントやフロア下を先に補強するのが正解。フットワークを煮詰める前に取り組むと効果的。
耐久レースも視野に入れたクーリングだと冬にオーバークールとなるため、オイルクーラーは風量制限してコントロール。通常仕様ならラジエターのサイズアップのみでOKだ。
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]
キーワードで検索する
