当時欲しかったあのクルマをプレイバック! 【日産・セレナ(C26前期)編】

家族のためのミニバン、だから大人気! 日産・C26前期セレナ(2010年11月〜2013年12月)【当時は高嶺!? いま気になる中古車の新車当時レビュー】

クルマ選びで迷うことのひとつが、新車か中古車のどちらを選ぶか。新車であれば、最新の機能を体感できるうえ、購入時にある程度自分好みにオーダーすることも可能。しかし現実的な予算を考えると厳しい場合も。一方、予算的にグッと抑えられるのが中古車だ。年式やクルマの状態によって金額は変わってくるが、新車当時買えなかった憧れのクルマが手の届く可能性もある。そこで、いま狙ってみたいクルマが登場した当時の仕様、そして試乗レポートをプレイバック。今回は日産・セレナ(C26前期)。主要諸元表付き! 全長・全幅・全高、室内長、車重、最高出力や最小回転半径、乗車定員をはじめ、燃料タンク容量までわかります。

乗り心地も燃費もいい、家族のためのミニバン

NISSAN/SERENA
日産・セレナ(C26前期) 2010年11月フルモデルチェンジ

〝モノより思い出”で好評を博し、3年連続ミニバン販売台数ナンバー1のセレナが4代目に生まれ変わった。新型の商品コンセプトは「家族のためのイチバンミニバン」。

基本的には先代で培われた広いキャビンや使い勝手の良さをさらに進化させたキープコンセプト。クラス最大の室内空間・ラクラク快適装備・先進の環境性能の3項目がアピールポイントだ。

まずはエクステリア。全体のイメージとしては好感度の高かった先代モデルを彷彿させつつ、大きくなったフロントグリルによって存在感がアップ。さらに目を惹くのは、先代よりもAピラーの付け根位置が前方に60㎜、上部は後方に60㎜移動したことでフロントウインドウとクォーターウインドウの面積が大幅に拡大された点だ。

左右・前方の良好な視界や開放感の高いキャビンの実現にも直結している。なお、標準車のボディサイズは、全長がマイナス5㎜、全幅とホイールベースは変わらないが、全高は25㎜高くなった。

ハイウェイスターは、より立体感のある顔つきになり、メッキモールを備えたバンパー、フォグランプフィニッシャーなどを装備。ボディサイズは全長+45㎜、全幅+10㎜だ。

インテリアは乗用車的なデザインを意識したというダッシュボード周りが新鮮。ステアリング上部越しに見るため目線移動が少なくてすむマルチグラフィックアッパーメーターを採用し、なだらかな上部ラインを形成。速度表示はデジタル。

シフトレバーはセンターに移動し、その上部はナビモニターを中心に操作系が機能的にレイアウトされている。Aピラーのトリムは極力細く、かつ左右異なる形状とすることで良好な視界を確保した。

また、肌の水分キープに効果のあるビタミンCフィルターを初採用したインテリジェントエアコンは女性に嬉しい配慮だ。

クラストップの室内空間は各席とも余裕の居住スペースを確保。中でも3列目のニールームはライバルに差をつけている。

3列目の格納方法は先代と同じく左右跳ね上げタイプだが、ウインドウを遮らない低い位置に格納されるようになった。そのため格納がラク、視界良好な上、たとえば自転車の積載時にはハンドルが干渉しにくいなどメリットが多い。最大荷室長は1720㎜でマウンテンバイク4台の積載も可能だ。

2列目周りではロールサンシェードを全車標準装備というのが嬉しい。マルチセンターシートも進化。また、スライドドアの開口面積は高さでプラス8㎜大きくなっている。新型エルグランドで採用されたワンタッチ式の電動スライドドアの開閉スイッチ、そして11インチの大型ワイドモニターもオプションで用意された。

エンジンは先代のMR20DE型に対しMR20DD型を搭載。直噴化、吸・排気ともにバルブタイミング機構を備えたツインCVTC化、低フリクション化等を図ると同時にECOモーター採用のアイドリングストップ機構を備えた。ECOモーターはエネルギー回生機構付きのオルタネーターとアイドリングストップ時にベルトを介してエンジンの再始動をする機能を兼ねている。

スターターモーターや各ギアの音がなく静かな上、再始動時間は0・3秒と迅速。3秒以上のアイドルストップ時間があれば燃費アップになるところが大きなメリットだ。

ミッションは変速比幅を拡大したエクストロニックCVT。直噴化によるトルクアップを活かしてファイナルギアを高めて低回転化、ニュートラル制御の採用、早いタイミングでの燃料カット、ロックアップ制御の最適化などを行い燃費性能を高めた。

10・15モード燃費はクラストップの15・4㎞/L(アイドルストップ付き2WD車)だ。

こちら標準仕様のセレナ


グレードは20S、20X、20G、ハイウェイスターの4つの展開。20Sを除きアイドリングストップ機能を標準装備する。

機能的で美しい仕上がりのコクピットも新型セレナの魅力のひとつ。視線の移動量を少なくするメーターの配置によって運転もいっそう楽になる。

視認性を優先したマルチグラフィックアッパーメーターは、瞬間燃費計やアイドリングストップタイマーを表示するECOメーター機能あり。

シフトレバーをセンタークラスターの下部に備える。プッシュエンジンスターターがシフトノブ近くにあり操作性にも磨きがかかった。

メーター下には小物の収納に便利な運転席アッパーボックスを装備。スペースを有効活用したユーティリティ性能の高さもセレナの魅力。

紫外線を90%カットするUVカット断熱機能付プライバシーガラスを採用した縦790㎜×横660㎜のワイドなパノラミックルーフも選択可能だ。

縦1308㎜×横802㎜(開口部面積が1049㎡)とクラストップの大開口を誇るスライドドア。ワンタッチで電動開閉するオート機能を備える。

パワーユニットは直噴化されたMR20DDエンジンを搭載。エンジン協調制御のエクストロニックCVTとの組み合わせでパワー、燃費ともにアップ。

ハイマウントストップランプはルーフエンドの一部を構成する立体的なデザインを採用。スタイリッシュ感をいっそうアップした。



大人2名がしっかり座れる大きさの3列目シートは座り心地のよさを生む重厚な仕上がりだ。跳ね上げての収納も楽にできる仕様となっており、自転車といった大きな荷物の積載も余裕でこなす。



2列目中央の座面をアームレスト、ボックス、テーブルとして使えるスマートマルチセンターシートは1列目~2列目をロングスライドする。ウォークスルーも可能だ。

3列シートを使った状態でもラゲッジスペースをしっかり確保。フラットで出し入れしやすくシートアレンジが多彩で使い勝手がいい。

3列目シートの背もたれは、前倒しをすればフラットに寝かすことができ、大型の荷物が余裕で収まる。

3列目シートは低位置に跳ね上げて固定するスマートアップサードシートを採用。軽い力で操作でき、採光を犠牲にせず広々荷室を確保。

精悍な仕様で迫るライダー仕様


専用バンパーやメッキのフロントグリル、アルミホイールなどを備えて高級感+精悍さを備えた人気のシリーズ、ライダーも同時にデビューした。

※記事の内容、価格、スペック等は2010年11月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。

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