当時欲しかったあのクルマをプレイバック!【スズキ・スイフトスポーツ(ZC32S)編】

和製ホットハッチ!! スズキ・ZC32Sスイフトスポーツ(2011年12月〜2016年12月)【当時は高嶺!? いま気になる中古車の新車当時レビュー】

クルマ選びで迷うことのひとつが、新車か中古車のどちらを選ぶか。新車であれば、最新の機能を体感できるうえ、購入時にある程度自分好みにオーダーすることも可能。しかし現実的な予算を考えると厳しい場合も。一方、予算的にグッと抑えられるのが中古車だ。年式やクルマの状態によって金額は変わってくるが、新車当時買えなかった憧れのクルマが手の届く可能性もある。そこで、いま狙ってみたいクルマが登場した当時の仕様、そして試乗レポートをプレイバック。今回はスズキ・スイフトスポーツ(ZC32S)。主要諸元表付き! 全長・全幅・全高、室内長、車重、最高出力や最小回転半径、乗車定員をはじめ、燃料タンク容量までわかります。

走りが楽しいハイパフォーマンス・コンパクト!

SUZUKI/SWIFT Sport
スズキ/スイフトスポーツ(ZC32S) 2011年12月デビュー

小ぶりなボディに楽しさ満載のコンパクトスポーツハッチ。スイフトスポーツは新型になってもやはり魅力的なモデルだった。

新型は7速MTモード付きCVTモデルと6速MTモデルが用意されているが、両者に共通で好感度が高かったのがエンジンフィールの良さだ。

ともかくアクセルをポンッと踏み込んでゆくと全域を通じての瑞々しいパワーフィールをすぐに感じさせてくれる。7200rpmに切られたレブリミット手前まで、落ち込みもムラもなく実にキレイに回ってくれる気持ち良さだ。

ピークトルクを発生する4400rpm前後の領域だけにとどまらず、満遍なく良好なフィールを感じていられるのが実にウレシイ。なんとなればレブリミットが7500rpmあるいは7800rpmぐらいまであってもイイんじゃないかと思うくらいエンジンを回していること自体が楽しくなってくる。

エンジン回転に呼応して耳に届く低音のEXサウンドも、このクルマが“スポーツ”であることをタップリと意識させてくれる貴重なスパイスだ。

こういうクルマの場合、大抵は“やっぱりMTだよね”というオチが付くのだが、新型はCVTであってもエンジンの好フィールやエンジンを使い切っている感覚をかなり楽しめることにちょっと驚いた。

クラストップの高出力に対応すると同時にエンジン回転だけが先走らずにリニアなフィールを出すことにも注力したという専用のCVTチューニングが効いているのだろう。

一方の6速MTは、ことさらショートストロークでもなければソリッド感極まるフィールでもないのだが、各ギアがサクッ、シャカッと軽快に決まる好感度の高いシフトフィールだ。2速~5速のクロスレシオ化によって走りやすさや扱い易さも感じさせてくれる。

シャーシ、足まわりは、先代に比べるとスタビリティレベルが相当引き上げられている。少々アグレッシブな走りをしたところで破綻とはまるで無縁の領域だ。特にリアの横剛性がかなり高められている感が強いし、操舵に対する前後バランスの良さやボディの一体感も際立っている。

先代に比べると、全体的な乗り味がグッと大人になった印象があり、プレミアムなスポーツコンパクトと表現しても良い。欧州のプレミアムハッチと比較しても遜色ないほどだ。となると、新型に付けられているプライスタグは超破格だ。

スポーツの名にふさわしい卓越した走りを披露したスイフトスポーツ。エンジンには専用チューニングを施した1.6ℓユニットを搭載。徹底した効率化によりクラストップの100kWを実現している。

強度と軽量化を両立させた専用デザインの17インチホイールは、フォグランプベゼルのフィン形状をモチーフにしたデザインだ。


精悍な表情を生み出す大口径グリルやメタリックグレー塗装のディフューザーなど、エクステリアにはアグレッシブなスタイルを演出する数々の専用アイテムが装着されている。



シートやステアリング、シフトブーツにレッドステッチを施し、スポーティなイメージを演出。メーターパネルにはマルチインフォメーションディスプレイを装備した専用5眼メーターを採用。

※記事の内容、価格、スペック等は2011年12月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。

※スタイルワゴン2012年2月号より

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