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洗練されたドライブフィールとインテリア、プレミアム仕立ての4代目登場
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SUBARU/IMPREZA SPORT
スバル/インプレッサスポーツ GP系 2011年11月デビュー
4代目インプレッサの5ドア、正式名称インプレッサ・スポーツは、ボディの大きさは先代と変わらないのに車格感はワンランク高まったかのような印象を受ける。
果たしてそのパフォーマンスは、期待以上のものだった。
新型は1.6Lと2Lモデルが設定されている。最初に試乗したのはもっともベーシックなグレード1.6i。アイドルストップが付かない唯一のグレードでタイヤは15インチが標準。などというと、なにやらチープなクルマをイメージする向きが多いかもしれないが、さにあらず。
クルマに乗り込んでみるとインパネまわりのテイストは上々で満足度充分。
まあ、ドアパネルあたりに加飾パネルかなにかが追加されてもイイかもだが、それは1.6iに限った話ではなかったりする。
そんな好感度の高さは走り始めても変わらない。マイルドな路面タッチにしなやかな足の動き、良好な接地性などが実に好フィール。
1.6Lは今回が初投入となる新世代フラット4は、低中域トルクに若干薄さを感じるものの回転フィールは良好だ。
アイドリング時のノイズが少し大きめだし、時折、羽が風を切るような音も聞こえてくるが、控えめな水平対向ならではのサウンドが楽しめる。
続いての2Lモデルは、2.0i(AWD・CVT)と2.0i-S(2WD・CVT)に試乗した。前車は16インチ、後車は17インチタイヤが標準で、どちらも6速モードのパドルシフトを備えたモデルだ。
1.6Lモデルよりもスポーティさを狙ったという足まわりは、1.6Lに比べてフロントスタビ径アップ、リアスタビの装着、フロント・リバウンドスプリングダンパーの採用などが図られている。
こうした違いからか低中速域がもっとも良好に感じられた1.6Lに対し、2Lはマイルドな路面タッチやしなやかさはそのままに、より中・高速域を得意とする乗り味になっている。特に17インチを履く2.0i-Sは接地感、フラット感がさらに際立ち、高速コーナーのようなシーンで、より楽しさが増す。
両車ともパドルシフト時には“ショック”ではなく“メリハリ”が感じられる良好なシフトフィールがある。電制パワステの操舵フィールも悪くない。
VDCの作動状態や瞬間燃費などを表示してくれるマルチファンクションディスプレイのグラフィックがことのほか見栄えが良く、実用プラスαの満足度といえそうだ。
5ドアモデルにはロングツーリングもこなす走りの良さを提案するクルマとして「SPORT」のネーミングが与えられた。
2.0Lエンジンには従来のEJ20 型に対しロングストローク化を実現したFB20型を新採用。新世代BOXERエンジン+新リニアトロニック+アイドリングストップを搭載し、環境性能の向上を図っている。
ピラーを前方へと移動。さらに細型化することで開放感をアップした。写真は2.0i-Sのコクピット。2.0シリーズにはパドルシフトが装備される。
バックレスト高を50㎜伸ばすとともにヒップポイントも17㎜引き上げ、ホールド性と開放感をアップしたフロントシート。またリアシートの乗降性も高めている。
スペアタイヤを廃止するなどして荷室高を拡大。またリアゲートは内部構造を見直し軽量化することで開閉時の操作力を約30%低減した。
ニュー・インプレッサでデビューしたFB16型エンジンを採用。従来の1.5ℓから1.6ℓへとアップしながらも、燃費性能を約20%向上させている。
※記事の内容、価格、スペック等は2011年11月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。
※スタイルワゴン2012年2月号より