当時欲しかったあのクルマをプレイバック! 【ホンダ・フィット(GE系)編】

【当時は高嶺!? いま気になる中古車の新車当時レビュー】ハイブリッドモデルが投入された! ホンダ・フィット(2010年10月〜2012年5月)

クルマ選びで迷うことのひとつが、新車か中古車のどちらを選ぶか。新車であれば、最新の機能を体感できるうえ、購入時にある程度自分好みにオーダーすることも可能。しかし現実的な予算を考えると厳しい場合も。一方、予算的にグッと抑えられるのが中古車だ。年式やクルマの状態によって金額は変わってくるが、新車当時買えなかった憧れのクルマが手の届く可能性もある。そこで、いま狙ってみたいクルマが登場した当時の仕様、そして試乗レポートをプレイバック。今回はホンダ・フィット。主要諸元表付き! 全長・全幅・全高、室内長、車重、最高出力や最小回転半径、乗車定員をはじめ、燃料タンク容量までわかります。

話題のハイブリッド筆頭に、フルモデルなみの大幅チェンジ

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HONDA/FIT
ホンダ/フィット(GE6/7/8/9中期 GP1/4)2010年10月発表

2007年にフルチェンジして以来、好調なセールスを続けている現行2代目フィットがマイチェンを敢行した。マイチェンといっても今回のものはいわゆるビッグマイナー。全グレードにおいて大胆かつきめ細かなメスが入れられている。

そしてなにより最大の話題は、昨年のインサイトに続くハイブリッドモデル・フィットHVの投入だ。

フィットの優れたパッケージングそのままにハイブリッド車にしたい。「誰もが乗れる〝みんなの”ハイブリッド」というのがフィットHVの大きな狙いだ。

根幹となるハイブリッドシステムは、基本的にはインサイトと同様の1.3L iVTEC+IMA。88psのエンジン+14psのモーターによりシステムパワーは98psを発生する。10・15モード燃費もインサイトと同じ30㎞/ℓ(JC08モード・26㎞/ℓ)だ。

ところがフィットHVの場合、空力特性はインサイトに比べ不利。単にハイブリッドシステムを移植しただけでは燃費が1㎞/ℓ前後悪くなってしまう。その対策としてフロア下にエンジンアンダーカバー、フロアアンダーカバーを装着したほか、ブレーキ非作動時の抵抗が少ないフロントブレーキキャリパーや転がり抵抗がより少ない専用タイヤを採用し、インサイトと同等の燃費を実現した。

IMAのセッティングも街乗りをメインに想定したフィットHV専用だ。発進時はアクセル開度に対するモーターアシスト量をインサイトよりも増加し発進性能を向上。低速クルーズ時はモーターのみでの走行領域が拡大されている。

エクステリアはメッキにクリアブルー塗装を施してアクリルカバーを合わせたフロントグリルや、クリアブルー&メッキガーニッシュのヘッドライト、メッキ&クリアブルーのリアコンビランプ、空力特性に配慮したフルホイールキャップなど採用したHV専用仕様。ボディカラーはフレッシュライムMを専用カラーとして新設定している。

インテリアはシャンパンメタリックの専用パネルなどを採用しクリーンなイメージを演出。メーターはエコガイドなどを表示するマルチインフォメーションディスプレイを備えたハイブリッドならではのデザインでエコ運転のコーチング機能やティーチング機能ももちろん表示。メーター照明をはじめ各部の照明色はブルーに統一されている。

ベースグレードの13G/Lに比べて防音・吸音材が追加されるなど、静粛性に関してもHVならではの仕様が施された。乗員スペース、シートアレンジは標準車と変わらない。ラゲッジはフロア下にIPU(PCU+IMAバッテリー)が置かれるためその分だけ標準車より少ないものの利便性は損なわれていない。

IPUがラゲッジフロア下に搭載される分、標準車とはボディバランスが異なるため、リアサス取り付け部の強化、フロントスタビ径アップ並びにリアスタビ追加といったボディ、シャーシの対応にもぬかりなしだ。

さて、どうしてもHVに注目が集まってしまうが、他モデルの進化も著しい。

ベースグレードの13G/Lで見逃せないのは燃費の向上で、従来の10・15モード値20㎞/ℓから24・5㎞/ℓにアップ。省エネドライブを支援してくれるECONモードも新たに採用した。

ワンクラス上の上質さを狙った15Xはこれまで以上に上級クラスからのダウンサイジング層を意識した仕様・装備に。特にキャビンの静粛性は徹底して高められた。

スポーティグレードのRSは、ルックスもシャーシチューンも、ならではのキャラクターとしてのエッジを際立たせた仕様に。6速MTの採用は見逃せないニュースだ。

ハイブリッド情報を表示する専用メーターや、シャンパンメタリック塗装の専用インテリアパネルといったハイブリッド専用デザインを採用。

フィットハイブリッドは1・3Li‐VTECエンジンとIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)との組み合わせで30・0㎞/ℓの低燃費を実現。

ラゲッジの床下にモーターを駆動するバッテリー類を収納。コンパクトなIMAハイブリッドが従来のフィット同等の使い勝手を実現した。


ハイブリッドといえど、フィットの多彩なシートアレンジ、ULTRASEATは健在。リアシートのダイブダウンによるフルフラットのユーティリティモード等、ベースグレード同様のシートアレンジが可能だ。インテリアカラーは写真のベージュとブラックを設定。

メーター色は、運転中にエコ度が増すほど青から緑へと変化するコーチング機能を搭載。楽しみながらエコ運転できるのだ。

ハイブリッドのナビプレミアムセレクションは、リンクアップフリーで、インターナビ・プレミアムクラブの情報を無料で利用できるHondaHDDインターナビシステムを標準装備。

13G/13L まさにフィットの基本形


メッシュタイプのフロントグリルや新デザインの前後バンパーの採用で、よりワイド感のある凛々しいルックスに。最小限の大きさに止めたエアインテーク、エッジを立てたフロントフェンダー、ディフューザー形状のリアバンパー下部などはすべて空力対策、燃費向上のため。スイッチ類の操作性アップ、高速時にしっかりした手応えのステアフィールを実現するためのEPS制御の見直し、スマートパーキングシステムの設定なども。

13G/13G・スマートセレクション/13Lに設定されているインテリアカラーは、ブラック×ブルーとベージュの2種類。

13G/13G・スマートセレクションにメーカーオプション設定されるバックモニター付オーディオ。USBジャックやステアリングホイールにリモコンも装備される。

15X 大人&ゆとりの性能


クロームメッキの専用フロントグリルはHVとはまた違った趣。リアライセンスガーニッシュにもメッキを採用。ガンメタ塗装のスイッチパネル、高輝度メタリック塗装のインナードアハンドルの採用などで質感の高い落ち着きのあるキャビンを演出。リアセンターアームレストの新採用、センターコンソールボックスはリッドに表皮を施すなどワンクラス上を意識。フルオートエアコン、運転席&助手席にはシートヒーターを備える。

フレキシブルラゲッジボードは13L/15Xに標準装備。床下収納&通常のラゲッジはもとより、ボードを持ち上げての上下分割の使用(写真)、ハイトの高い物の収納等、自在にアレンジできる。

シートをはじめとしたインテリアに、大人の上質感漂うブラウンを配しているのは15Xのみ。

本革巻のステアリングは13L/15X/ハイブリッドのナビプレミアムセレクションに標準装備(RSは本革巻スポーツタイプ)される。

RS スポーツテイスト全開


ガンメタ塗装のフロントグリルにRSエンブレム。フォグランプ内蔵の専用Fバンパー、シルバー塗装&スモークレンズのリアコンビランプ、テールゲートスポイラー、エキパイフィニッシャーなど、瞬時に他モデルとの違いが判るルックスに。ESP制御の変更、前後スタビ強化、ダンパー&スプリング専用セッティング、フロントパフォーマンスロッド追加、リアサス取り付け部強化、サウンドチューンも。CVTはレスポンス向上が図られている。

RSのシートカラーはブラック×オレンジ。表皮はサイドがオレンジステッチを施したスウェード調ファブリック、センターには上質な起毛メッシュファブリックを採用している。


ステアリング&シフトノブにはオレンジステッチを施したスポーティな本革巻を、またメーターはアンバー照明のグラデーション表示となる。

※記事の内容、価格、スペック等は2010年10月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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