当時欲しかったあのクルマをプレイバック! 【ホンダ・フィットシャトル編】

【当時は高嶺!? いま気になる中古車の新車当時レビュー】想像を超えるキャビン&ラゲッジの広さ! ホンダ・フィットシャトル(2011年6月〜2013年8月)

クルマ選びで迷うことのひとつが、新車か中古車のどちらを選ぶか。新車であれば、最新の機能を体感できるうえ、購入時にある程度自分好みにオーダーすることも可能。しかし現実的な予算を考えると厳しい場合も。一方、予算的にグッと抑えられるのが中古車だ。年式やクルマの状態によって金額は変わってくるが、新車当時買えなかった憧れのクルマが手の届く可能性もある。そこで、いま狙ってみたいクルマが登場した当時の仕様、そして試乗レポートをプレイバック。今回はホンダ・フィットシャトル。主要諸元表付き! 全長・全幅・全高、室内長、車重、最高出力や最小回転半径、乗車定員をはじめ、燃料タンク容量までわかります。

フィットにワゴンモデルの【シャトル】が登場!

HONDA/FIT SHUTTLE
ホンダ・フィットシャトル(GG7/8 GP2 前期)

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2010年のマイチェンでハイブリッドモデルが追加されたフィットに、また新しいバリエーションが加わることになった。「コンパクトカーの常識を超える価値の創造」をテーマに開発されたフィット・ベースのステーションワゴン、フィット・シャトルだ。

シャトルのアピールポイントは、コンパクトクラスの想像を超えるキャビン&ラゲッジの広さと使い勝手の良さ/フィットと同等の低燃費を実現したガソリンエンジンおよびハイブリッドによるスモールカー並みの経済性/ダウンサイジング層も意識したミドルクラスに匹敵する上質さ、快適性という3つが挙げられる。

ボディサイズは当然ながらフィットよりも大きく、全長は+510ミリ、全高は+15ミリ。だが、全幅はフィットと同じく5ナンバー枠に収まる1695ミリでホイールベースも変わらない。

長くなった全長はラゲッジスペースに割当てられるリアオーバーハング分として+330ミリ、フロントは+180ミリという内訳だ。

一見したところフロント周りに関してはフィットと変わった所はないように思えるが、その実シャトルのフロント周りはアメリカ仕様のフィットを転用している。衝突安全基準などの違いもあり、国内仕様のフィットに比べるともともと180ミリ長いのだ。

アメリカ仕様のフロント周りを採用した理由は、長くなった全長とボディフォルムに対して国内仕様よりもバランス的に良好というデザイン的な側面があったという。また、アメリカ版フィットを造っている狭山工場で生産することでコスト、生産効率の面からもメリットが大きいとの判断も。

ちなみにドアパネルもフィットから流用しており、Cピラー上部あたりの処理に苦労の跡がうかがえる。

エクステリアのコンセプトは「STYLISH SPACE-FORM」。ガソリン車、HV車ともフロントビューは誰が見てもフィット。

その上でロングキャビンを融合した伸びやかなフォルムにより、フィットとは異なるシャトルならではのスタイルをアピールしている。ガソリン車とHV車とでは、フロントグリルやヘッドライト、リアコンビランプなどで差別化が図られている。

インパネまわりのデザインは基本的にフィットを踏襲しているが、そのテイストは車内に乗り込んでみるとかなり異なって感じられる。

端的にいって高級感、質感がグッと高められている印象だ。この違いは、内装色に合わせた革シボのインパネや各所に配したメッキ加飾、ステアリングに施されたピアノブラック塗装のガーニッシュなどによる巧みな演出効果のたまものだろう。

スェード調ファブリック×合皮(グランスムース)のシート表皮も上質、良好なテイストだ。

注目のラゲッジスペースは驚きの広さだ。フル乗車時の容量は、ガソリンのFF車が496L+床下94L=590L。フロア下にHV用のユニットを搭載しているHV車でも496L+床下21L=517Lを確保している。

ガソリンFF車の床下スペースには可動セパレーターが用意されており、荷物に応じて3段階に仕切りを動かせる。

また、ガソリン車にはリバーシブルフロアボードが付く。これは両方向に折りたためるダブルヒンジ構造になっていて片面はカーペット張り、もう片面はワイパブル仕様になっている。内部に鉄骨が入っているため、多少重量はあるものの非常に堅牢な造りだ。

ガソリン車もハイブリッド車も、
フィットと同じ燃費性能を獲得

パワートレーンは、ガソリン車が1.5L i-VTEC。HV車が1.3L i-VTEC+IMAで、いずれもフィットと共通だ。

10・15燃費を確認してみると、ガソリンのFF車が20km/L、HV車が30km/Lでフィットと同じ数値をマークしている。ボディ重量が約60kg重いことを考えると驚きだ。

この低燃費を達成するためにエンジンフリクションの低減、ブレーキの回転抵抗を低減したキャリパーの採用、空力パーツの採用、HVシステム制御の高効率化などが図られている。

HVシステム制御の高効率化は、具体的にはモーター走行時の燃料ポンプ停止制御、同じく点火システム停止制御だ。

足まわりに関しては、タイヤサイズをフィット(RS除く)よりもワンサイズアップ。HV車でもフィットの175/65R15に対し185/60R15とし、上質な乗り味を狙った専用チューンが行われた。

フィットの軽快感を基本に据えつつ、後席乗員を含めた乗り心地の良さにも充分配慮をしたセッティングという。また、静粛性は防音材、遮音材、吸音材の追加により、フィットHVよりもさらに上のレベルを達成している。

当初の予定では3月17日に発表され、翌18日には発売が開始されているはずだったが、震災の影響で発表・発売ともに見送られている。現時点ではまだ発売時期はアナウンスされておらず、今しばらく待つことになりそうだ。
※東日本大震災の発生により、生産拠点は狭山工場から鈴鹿に変更

特徴的な3 連メーターなどフィットのコクピットデザインを継承したインテリア。ハイブリッド車では中央のメーターがマルチインフォメーションディスプレイを装備。コーチング機能やティーチング機能により、さまざまな方法でエコ運転をサポートする。


アクリルカバーをかぶせたフロントグリルや、メッキにクリアブルーを施しクリーンなイメージを持たせたリアコンビランプなど、ハイブリッドでは専用のエクステリアを用意。

フィット・ハイブリッドやインサイトと同じ1.3L+IMAによるハイブリッド。JC08モードでも26.0km/L(HYBRID‐C)の優れた燃費性能だ。

低床設計によりハイブリッド車でも517Lの大容量を実現したラゲッジスペース。後席のダイブダウンで最大荷室長2000mmのフラットなスペースが生まれる。

ハイブナビプレミアムセレクションに標準装備、スマートセレクションにオプション設定される15インチアルミホイール。


センタータンクレイアウトがもたらすゆったり乗れる居住空間を、このシャトルでも確保。15C/HYBRID-Cを除き、シートサイド部に「グランスムース」を使用したコンビネーションシートを採用する。

1.5X・Lパッケージ装着車(FF)に標準装備、同Sパッケージ装着車(FF)にオプション設定される16インチアルミホイール。

ラゲッジアンダーボックスを装備。1.5L・FF車で94L、同4WD車でも50L、ハイブリッド車で21Lの容量を確保。また1.5L車には便利に使えるリバーシブルフロアボードも装備される。

1.3L/1.5Lのガソリン車を揃えるフィットに対し、シャトルのガソリン車は1.5Lのみをラインアップ。JC08モードで18.6km/L(FF車)をマーク。

個性を際立たせるオプションパーツ


Moduloからはフロント&リアのロアスカートや、フロントロアガーニッシュなどのエクステリアパーツのほか、アルミホイールなどがリリースされる。その他純正パーツとして、カーボン調やメタル調のインテリアパネルなどが設定されている。

カーボン調のアレンジをインパネ&ドアに施しスポーティなイメージを演出するインテリアパネル。

撮影車撮影車両には7スポーク&15インチのアルミホイール・MS‐022を装着。

メーターバイザー+アウトレットリングにはメタル調ヘアラインのインテリアパネルで加飾。

※記事の内容、価格、スペック等は2011年6月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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