カリフォルニアの郊外から街中まで走るRAV4をイメージして仕上げた
トヨタ/RAV4(50系)
「やり過ぎないで少しひいてみるのが大人かな」
「SUV大人カスタムの嗜み」に相応しいクルマはないか探していて、偶然出会ったのがこのRAV4。ワイルドなスタイリングとマットなボディカラーに、一瞬で目が奪われた。オーナーはカスタムにも精通した、モータージャーナリストの九島辰也さん。
アメリカ文化に憧れた世代で、国籍問わずカリフォルニアを走っているクルマが好き。サーフボードを積んで走る……そんな世界観が今でもベースにあるという。
「見た目やり過ぎず、少し自分の色をつける程度」が九島流のクルマいじりだそう。
「ステッカー1枚貼る、エンブレムを交換してみる、それだけでも楽しいですよね。クルマが単なる移動手段の道具ではなくなります。まさに愛車」。
RAV4のテーマは“大人が乗れる、ほどよくワイルドなSUV”。これまでのセオリーに従えばホイールはインチアップが普通だが、最近はオフ系のインチダウンもあり。九島さんも19インチから16インチへとインチダウン。ワイルドさもだが、乗り心地にも気遣っての事だそう。
「常識に囚われない発想の転換で色々できると思います。カスタムは正解がないし終わりがない。やり過ぎるとかっこ悪いから少しひいてみる。それが大人のカスタムの嗜みかな」。
80年代をオマージュしたパーツセレクト
映画『ビッグ・ウェンズデー』とテレビドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』にハマり、今も80年代の文化や音楽に惹かれる九島さんが、当時のカリフォルニアをイメージし、やり過ぎない大人の嗜みでカスタマイズを実現したRAV4。
九島さんはアメリカ車やポルシェの印象が強くあるが……。
「以前はジープとかもガンガンいじっていたんだけど、最近では2ドアクーペばかり乗っています。そんな中このRAV4アドベンチャーで、久し振りにSUVに心動かされたんですね」
RAV4にはカスタマイズを楽しむ余地があると感じ、自身のイメージをラフスケッチで描き、それをデザイナーにおこしてもらうところから始まり、九島ネットワークを駆使。知り合いのショップとのミーティングを繰り返し、約1年かけて今の姿となった。
ボディカラーにも相当のこだわりが
ボディカラーは“純正のアーバンカーキをマットにしたらどうなるのか”、そんな興味から試し塗りを何度も重ねて選んだもの。さらに2.5インチのリフトアップキットを組み込み、このボディカラーに合わせたホイールがサテンブラックのMLJ XJ04(16×8J+18)だ。
敢えてのインチダウン。ホイールにはもうひとつ、カラーへのこだわりがある。
「ずっと黒の鉄ッチンホイールが好きで、以前から塗っていて、今も好みは変わらないですね。だからポルシェのホイールも黒に塗っていて……。純正を塗り替えるって贅沢でしょ」
そんなこだわりに人知れずほくそ笑む……そんな遊び心も大人の嗜みカスタマイズか。
「80年代のカリフォルニアをイメージした部分は、フロントグリルとグリルガード、フォグランプ、ルーフキャリアとラダー、これはセットとして考えた」
アイテム選択は名古屋市の「ワーコーポレーション」店長の田邊さんが全面協力。アメリカにはRAV4用のパーツがたくさんあり、一つひとつ探し出してくれた。ただし「今はバータイプのLEDフォグが主流らしいけど、80年代を意識したら丸型のフォグは譲れないアイテム」と、九島さんのこだわりに沿ったパーツが選ばれているという。
フロント30㎜/リア25㎜のオーバーフェンダーをはじめ、グリルガードや先述の丸型ルーフフォグなどでワイルドな印象のRAV4。「ネバダ砂漠も似合うと思うけど、ロスの街中やウエストコーストをドライブしても似合うと思わない?」と、狙いどおりの仕上がりになった。
最後に車名はと尋ねると、
「昔フォード・マスタングでディーラーがオリジナルカスタムしたCS=カリフォルニアスペシャルというのが人気になって、後に正式に採用されたんだけど、そんな願いも込めて『RAV4アドベンチャー カリフォルニアスペシャル』というのはどうかな」と、今回、正式に命名。80年代をオマージュしたRAV4の夢は無限大だ。
【SPECIFICATION】
TIRE&WHEELS
ホイール:MLJ・エクストリームジェイXJ04(16×8.0+18)
タイヤ:BFグッドリッチ・オールテレーンT/A K02(245/70)
EXTERIOR
ヴァンガード・グリルガード
カディスAR4・オーバーフェンダー
NILIGHT・LEDフォグ(ルーフ)
ラフカントリー・LEDフォグ(グリル&グリルガード)
ローラ・ルーフトップカーゴキャリア
RNO-FITファブリケイション・リアラダー
カート・ヒッチメンバー
全塗装
SUSPENSION
ラフカントリー・リフトアップキット(2.5インチ)
MAKING SHOP
ワーコーポレーション 052-523-3003 https://www.wha.co.jp
九島辰也さん
1964年東京・自由が丘生まれ。クルマ雑誌「Car EX(世界文化社)」副編集長、「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(枻出版社)」編集長を経てメンズ誌「LEON/(主婦と生活社)」副編集長に。また同「MADURO」編集長も務めた。現在はモータージャーナリストとして幅広く活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。最近、大型バイクの免許を取得し、新しいステージへと踏み出している。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。