ガソリン車やハイブリッド車と比較したら、あらゆる面でBEVがお得ってホントなの?

bZ4Xと新型トヨタ・クラウン! BEVとハイブリッド車、普通充電と急速充電、BEVの気になる事を比べてみました! #そこが知りたいEVのことPART 7

BEVは充電が面倒と思う人もいるでしょう。ハイブリッド車なら給油はガソリンスタンドに行けば数分で済むのですから。一方、BEVは普通充電で数時間もかかります。でも、BEVをライフスタイルに組み込めばそれも苦にならない? 今回は気になるポイントを比較してみました。

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BEVとハイブリッド車、どっちがお得?

「どっちがお得?」という観点で、まずは気になるのはガソリン車やハイブリッド車と比べてBEVはお得なのかという点でしょう。クルマとして動かすためのエネルギーを電気代とガソリン代に置き換えてみますと、BEVは約1/3のコストになる計算になります。ただし、家庭によっては屋根に太陽光パネルをおいて自家発電しているケースもありますし、電力自由化でさまざまな料金体系があり、家庭によって電気代に差があります。また、ロシアのウクライナ侵攻など海外情勢を受けて原油価格が高騰したり、一時的に下がったりと、ガソリン価格も一定しませんので、BEVとハイブリッド車などとの走行のためのエネルギーコスト比較にはバラつきが生じます。

また、自宅充電の場合は充電設備に対する初期投資も必要になりますので、この分をガソリン代との差額でどう埋めるのか、という観点も出てきます。その上で、中長期的に見れば、走るコストとしてBEVがお得と言えるでしょう。

普通充電と急速充電どっちがお得?

BEVとして「どっちがお得?」という観点で、普通充電と急速充電ではどうなのでしょうか。ここで気にして欲しいのは、普通充電の場合は自宅や会社で一晩充電ができることに加えて、商業施設、自治体関連施設、カーディーラー、高速道路のSA/PA、道の駅などでも普通充電器が備わっている場合があるという点です。一方、急速充電機器の場合、自宅に設置することは事実上、不可能に近いと言えるでしょう。なぜならば、使用するのが単相交流ではなく三相交流であり、また設置に対する基礎工事費用などを含めると、最新型急速充電器の本体込みで1000万円を超えることも珍しくないからです。それに比べて、普通充電器には出力に応じて価格は、工事費を含めて10万円から40〜50万円までさまざまな種類があり、これならば個人宅に設置することも可能です。

また、カーディーラーや高速SA/PAなど自宅以外で充電する場合、メーカー毎、または充電インフラ提供会社が、普通充電と急速充電を組み合わせた定額制度を導入しているため、ここでは2つの充電方法によるコストの差は事実上、生まれないと言えるでしょう。

例えば、日産ゼロエミッションサポートプログラム (ZESP3)のプレミアム10では、急速充電10分 ×10回と普通充電使い放題で月々4400円ですが、3年定期契約にすると月々2750円となり、月々1650円 3年間では5万9400円お得になります(下図参照)。実際、自宅での普通充電とこうしたサブスクリプションモデルを 併用するユーザーが多いようです。

日産の充電サポートプラン例

日産の充電プラン例。購入したBEVモデルの電費と、ガソリン車やディーゼル車での走行実績を考慮して、自身に見合った充電プランを選びたいところ。日産以外もトヨタや三菱、ホンダ、また海外メーカー独自のプランを用意しているところが多い。「e-Mobility Power」カードやJTBの「おでかけ」カードなどメーカー系以外もある。

著者PROFILE●桃田健史
1962年8月、東京生まれ。日米を拠点に、世界自動車産業をメインに取材執筆活動を行う。インディカー、NASCARなどレーシングドライバーとしての経歴を活かし、レース番組の解説及び海外モーターショーなどのテレビ解説も務める。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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