フルモデルチェンジしたトヨタ・シエンタは何が変わった? トヨタの最小ミニバンは、やっぱり便利だった!

新型【トヨタ・シエンタ】に乗ってみたら違いが歴然! ボディサイズは変わってないのに、車内のリラックス感は劇的に向上していた!|新車レビュー

トヨタで最も小さいミニバン、シエンタがフルモでチェンジ。いま注目のミニバンに試乗してきました!

ボディサイズを変えずに室内を拡大!走りはハイブリッド車が魅力的

「サイズ(全長と全幅)は先代から全く変えていません。でも、室内は広くしました!」

そんな開発者の言葉が、今回のフルモデルチェンジのポイントを端的に表している。シエンタはトヨタで最も小さなミニバンだから「車体が小さくて運転しやすい」だったり、「駐車場の都合」を理由に選んでいるオーナーも少なくないはず。フルモデルチェンジで車体を大型化するのは常識的なことだが、開発陣は「小さな車体の価値」をしっかり理解しているから、サイズアップを拒否したわけだ。

室内を広くできた理由は、全高を20㎜高くしたのが効いている。しかし単に屋根を高くしただけでなく、サイドウインドウや車体側面パネルを垂直に近づけ、ルーフも左右を丸めるのではなく、水平気味にして頭上空間を拡大。特に凄いのはルーフの左右端の空間で斜め方向の頭上空間は65㎜も増している。これは2列目や3列目に座る人の開放感を高める効果が大きい。

室内の居住性も特筆ものだ。ハイライトは1列目と2列目の間隔を先代に対して80㎜も拡大したことだろう。全長もホイールベースも変わっていないのに、どうしてそんなことが実現できるのか? 実は、そのカラクリは2列目シートのスライド量を後方へ増やしたことにある。広がった80㎜は純粋にその調整量拡大分となっている。

確かに2列目シートを後方へスライドすると3列目に座れない(足を置くスペースがない)が、それは先代でも同じだった。つまり「どうせ3列目を使う際に2列目を前へ出すのなら、3列目を使わないときは最大限に2列目足元を広げよう」という考えだ。あくまで3列目は予備で、2列状態がメインというのが想定している使い方だ。ちなみに、1列目から3列目までの間隔は先代から変わらない。

新型シエンタの車体は「ヤリス」や「アクア」と同じ、GA-Bプラットフォームを活用している。しかし、それを活用するのはエンジンルームとキャビンを仕切るバルクヘッド(Aピラー根本付近)までで、そこから後ろは先代改良版のシャシーだ。

パワートレーンはトヨタの新世代版に刷新され、排気量1.5Lの3気筒自然吸気エンジンのガソリン車とそこにモーターを追加したハイブリッド車の2種。車両価格はガソリン車のほうが安いが、乗り味としては静粛性やモーター走行の滑らかさ、そしてガソリンよりも手ごたえがあるパワー感からハイブリッド車の方が魅力的に感じた。ちなみに4WDは従来のメカ式ではなく後輪をモーター駆動とする電気式になり、ハイブリッド車のみの設定となる(先代はガソリン車のみ)。

走行中は車体が上下にブレず、フラットに安定させる能力が高く、路面からの大きな入力を受けたときのいなしかたも上手だから、乗り心地が良いのが印象的。ロール速度が一定だから旋回中の安定感も高く、昨今のトヨタはその作り込みのバランスが非常に上手だとあらためて実感させられた。

【TOYOTA SIENTA(トヨタ・シエンタ)】

EXTERIOR

INTERIOR

POWER TRAIN

ウェルキャブも同時に登場

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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