Mクラストップの室内空間を誇る
6代目の新型セレナは、先代のプラットフォームを改良して使っている。しかし、新型にふさわしい先進的な内外装をはじめ、最上級仕様「LUXION(ルキシオン)」の新設定もあって存在感は格段に増している。
E-POWER専用のルキシオンは、「ハイウェイスター」と同様、5ナンバー枠を超えたワイドボディが与えられた。大型フロントグリルをはじめ、前後エアロバンパー、サイドシルスポイラーなどがルキシオン、ハイウェイスター共通で、ルキシオンには専用エンブレム、ダークサテンのフェンダーフィニッシャーが配されていて、ディテールの差別化も盛り込まれている。また、外観上のハイライトは、縦3段式ヘッドライトにあり、全ランプをLED化したことで、新しさを前面に押し出した。
内装も先進感あふれる仕立てで、電制シフトスイッチを新たに採用する。フードレスのメーターディスプレイもあって開放感に富む水平基調のインパネは、乗員の酔いにくさにも配慮した。一方で、定評あるキャビンの広さや荷室の使い勝手は、基本的に先代からの踏襲になるものの、3列目にスライド機構が備わり、ルキシオンをのぞきE-POWER車も待望の8人乗り化を果たしている。
そのe-POWERは、新開発の発電専用エンジンを含めて第2世代に進化し、モーター走行の領域を拡大してEV度合いが高まった。e-POWERは最高で20.6km/LのWLTCモード燃費に達する。一方の純ガソリンエンジン車は、「MR20DD」型の2.0Lを踏襲するが、新コントロールバルブの採用をはじめ、制御ロジックを進化させ、CVTのシフトバイワイヤ化などの最新技術を投入した。さらに、ガソリンエンジン車にはパドルシフトも備わり、高速道路や山道などでブレーキを踏まなくても減速しやすいなど、指先でマニュアル感覚のシフト操作が可能になっている。
装備における最大のトピックスは、ルキシオンに搭載される「プロパイロット2.0」だ。ヴォクシーが一部の仕様で渋滞時のハンズオフドライブに対応しているが、ルキシオンは、ナビを設定すれば渋滞時以外でも手放し運転が可能になる。長距離などでの疲労軽減に大きく寄与してくれるはずだ。さらに、一度駐車した場所を記憶するメモリー機能付の「プロパイロット・リモート・パーキング」などを用意。日産初採用になる「衝突回避ステアリングアシスト」を全車に標準化するなど、先進安全装備の充実ぶりも注目だ。
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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]