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  • 2017/08/29
  • Motor Fan illustrated編集部 萬澤 龍太

ボッシュがトマトづくりに精を出す理由

AIやIoTを使って農業の効率化を図る「Plantect」

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「Plantect」の温度湿度センサー。ほか、CO2センサーと日射センサーを用いて栽培環境をリアルタイムで発信、携帯電話をはじめとする電子端末で状況を逐次把握できる。
ボッシュが農家に訊いたところ、過去に経験した病害による収穫損失量は70%。甚大な被害である。それを恐れて農家は予防薬を用いるのだが、何せ「予防」のための散布だけに、いつ噴くのが適切なのかがわかりづらい。かといって発生後では効果は限定的。病害が発生しそうな直前に散布することが強く求められてきた。「Plantect」 がそのタイミングを正確に伝える。

トマトの栽培とは、難しいものであるらしい。乾燥した高地が原産なので、水分の管理を誤ると皮が破裂してしまうなどのトラブルに見舞われるとか。病害虫にも弱く、対策を要する。難題を解決すべく、名乗りを上げたのはなぜかボッシュである。しかし、唐突な話ではない。多くのサプライヤーと同じく、ボッシュもAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット化)に積極的に取り組んでいて、今回はAIを農業の効率化に活用したのである。

Plantect が提供するサービスは大きく分けてふたつ、モニタリングと病害予測である。ハウス内に設置するセンサー情報を通信機がクラウドサーバーに送信、現在の状況(モニタリング)を知らせるとともに、AI による病害発生予測をリアルタイムで配信。ユーザーはそれに沿って対策を即時とれるので、危機を回避できる。

ボッシュのPlantectは、栽培ハウス内に設置するセンサー情報をIoTクラウドに集積、ユーザーのPCやタブレットといった端末へ情報を提供する病害予測サービスである。モニタリングと病害予測の2機能を提供し、うち後者については100棟以上のハウスからデータを収集して病害予測精度を92%まで高めた。現在のハウスの状態をリアルタイムで把握、過去の集積データから各種の病害発生確率を伝えることで、適切な対策を適時行なえる。92%という数字は2017年6月現在のものであって、今後データがさらに集まればさらに精度は高まっていくことが期待できる。ユーザーからの反響では、2割程度の収穫量増も実現している模様。相当な効果である。

「栽培ハウス」をクルマに、「病害予測」を歩行者や道路環境に置き換えてみれば意義もわかりやすい。センサー/ソフトウェア/サービスを一貫して自社で提供できる強みを生かし、今回は農作物の収穫量拡大に結びつけた。IoT×AIをクルマに限定していない柔軟な発想に好感を抱く。ボッシュは次回、ユニークな試みをどの分野に用いるのだろうか。

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