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次世代モビリティ社会の安全・安心に向けて、「ドライバーサポート」「センシングサポート」「コミュニケーションサポート」の3つの軸に沿った技術開発を行っている小糸製作所(KOITO)。今回の出展もそれらに沿った内容で、初公開の技術を多数紹介している。
高精細アダプティブドライビングビームを初公開
まずは、「ドライバーサポート」の領域から、「高精細ADB(Adaptive Driving Beam)」が初公開された。ハイビームの照射範囲を1万6000個に分割して、照射をより緻密にコントロールする技術だ。細分化された1万6000個のLEDの点灯・消灯に加えて、出力光度も制御。従来は12個分割などだからその差は著しい。
歩行者など照射範囲のごく一部だけをコントロールできる、この優れた技術。これまでADB搭載車を実際に走らせていても、必要な箇所にしっかり照射ができなくて歩行者の発見が遅れたり、逆に歩行者や対向車に眩しい思いをさせたりとその制御は、満足のいくものでなかった。それを飛躍的に改善するのが、今回のライトシステムのポイントだ。
また、歩行者に対して眩しさを緩和。道路標識に対しても局所的な減光を行い、ほかの交通参加者や車載カメラの認識にも配慮している。消灯する範囲を極小化することで、明るく照らす範囲を最大化できるという面があり、夜間の交通事故ゼロを目指している。
路面上に光のパターンを表示して自車の動きをアピール
「コミュニケーションサポート」の領域は、人とクルマのつながりを密にするライティング技術群だ。「標識灯路面描画ランプ」は、ターンランプやバックアップランプから路面上に光のパターンを表示することで、自車の動きを周囲の人やクルマに知らせるもの。交差点や駐車場などで威力を発揮し、歩行者の巻き込みや出会い頭の事故防止に貢献する。
ドライバー異常やドア開放時の後続車への警告機能などを、標識灯を部分的に点消灯する光の演出で実現する「アニメーションランプ」も新しい。
高度な周囲監視を実現するセンサー技術
「センシングサポート」の領域は、レーザーを使って車両周囲360°の対象物までの距離・方向といった位置情報を計測して、正確に検知するセンサー技術群だ。今回の出展では、同社が投入予定の車載用「LiDAR」のラインアップ拡充を公開。先進運転支援システム(ADAS)や自動運転に必要不可欠なセンサーだが、クルマのほか、産機・建機・農機車両などといったさまざまなニーズに応える短距離・中距離・長距離のラインアップを紹介している。
3つの領域で紹介をおこなっている今回の出展。初公開が目白押しで、移動体検知システムや、二輪車用ADBも展示している。二輪車用のアダプティブライトは、コーナーで車体を傾けた際などイン側の照射が下がってしまうのを解決。部分的にハイビームで照射するようにして、ライダーにとって、より遠方まで見渡せる照射を実現。しかも、前走車への眩しさを防止をおこなう二輪車初のADBを開発した。
同社の新たな「光」の可能性。交通事故低減や渋滞解消など交通社会の課題解決を目指している。安全運転にとって光がいかに大切であるかを再認識できるので、この機会に訪れてみたいブースだ。場所は、西展示棟4階(西3・4ホール)だ。