Porsche 911 Carrera
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Lotus Emira V6

RRとミッドシップという対照的な個性

ポルシェは2024年に992型のアップデート版、992.2型を導入。ついに電動化された「T-ハイブリッド」を搭載した「GTS」に注目が行きがちだが、3.0リッター水平対向6気筒ターボを搭載するベースモデルの「911 カレラ」も熟成が進み、ポルシェらしいドライブフィールをしっかりと味わうことができる。

2021年、ロータスはエリーゼ、エキシージ、エヴォーラの後継モデルとなる、ミッドシップスポーツ「エミーラ」を発表。2.0リッター直列4気筒ターボと3.5リッターV型6気筒スーパーチャージャーをリヤミッドに搭載し、ロータスとしては(現時点で)最後の内燃機関(ICE)搭載モデルと謳われている。

911 カレラは、時代に合わせた進化を遂げながらも、初代901から続くリヤエンジン・リヤドライブ(RR)を引き継いできた。最新の992.2型も、現代的ながら一目でポルシェと分かるスタイルを持つ。ボディサイズは、911 カレラが全長で131mm長いが、ホイールベースと全幅はエリーゼが大きい。特にサイドビューは、RRとミッドシップの個性の違いを理解できるはずだ。

ポルシェ 911 カレラ

ボディサイズ=全長4545mm×全幅1850mm×全高1300mm
ホイールベース=2450mm
車両重量=1540kg
タイヤサイズ= 235/40ZR19(前)、295/35ZR20(後)

ロータス エミーラ V6 FIRST EDITION

ボディサイズ=全長4413mm×全幅1895mm×全高1226mm
ホイールベース=2575mm
車両重量=1405kg
タイヤサイズ=245/35R20(前)、295/30R20(後)

拮抗するエンジンパワーとトルク

911 カレラは、リヤのエンジンベイに3.0リッター水平対向6気筒ターボを搭載し、最高出力394PS・最大トルク450Nmを発揮。同じ6気筒を搭載するエミーラ V6は、トヨタ製3.5リッターV型6気筒スーパーチャージャーが奢られ、最高出力405PS・最大トルク430Nmを誇る。最高速度、0-100km/h加速ともに、911 カレラが、エミーラを上まわって見せた。

ポルシェ 911 カレラ

エンジン形式=水平対向6気筒ターボ
排気量=2981cc
最高出力=394PS
最大トルク=450Nm
トランスミッション=8速PDK
駆動方式=RR
最高速度=294km/h
0-100km/h加速=4.1秒

ロータス エミーラ V6 FIRST EDITION

エンジン形式=V型6気筒スーパーチャージャー
排気量=3456cc
最高出力=405PS/6800rpm
最大トルク=430Nm(420Nm)/2700〜6700rpm
トランスミッション=6速AT(6速MT)
駆動方式=RWD
最高速度=288km/h
0-100km/h加速=4.2秒

“ボクサーエンジン”という強烈な魅力

歴史を感じさせる911 カレラのコクピットは、ステアリング奥に12.65インチ・メータパネル、インスツルメントパネルの中央に10.9インチ・タッチスクリーンディスプレイを配置する。エミーラは、は12.3インチ・メータースクリーンと10.25インチ・センタースクリーンの組み合わせ。レーシングカー然としていたエリーゼやエキシージから、大きく質感を向上させた。

多くのスポーツカーが、全輪駆動、ハイブリッドシステム、高度なドライビングアシスト機能を導入する中、ICE(内燃機関)搭載スポーツカーという、貴重な存在となった911 カレラとエミーラ。エミーラは280万円の価格差に加えて、100kg以上も軽いというスポーツカーとしては無視できないアドバンテージがある。ただ、911 カレラはポルシェ製ボクサー6を背中から感じることができるという、ポルシェにしかない魅力を味わうことができのだ。

車両本体価格

ポルシェ 911 カレラ 1853万円
ロータス エミーラ V6 FIRST EDITION 1573万円