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オートマ車でも速さは格別!
ツボを押さえたボディ補強がZC33Sの速さを引き出す
シャシー補強パーツを筆頭に、数多くのオリジナルパーツをリリースしている“レイル”。ZC33Sスイフトスポーツについては、筑波サーキット59秒530をマークするタイムアタック仕様のワークスカーを始め、3台体制でパーツ開発に取り組んできた。
そんな中、今回注目したのはAT車のポテンシャルを証明するために製作されたデモカーだ。MT車で培ってきたノウハウを注ぎ込みながら、快適性と速さを高次元でバランス。その結果、筑波サーキットでのタイムアタックでは1分2秒0をマークしたというのだから、その速さは並々ならぬものがある。
エンジンは本体ノーマルのままブリッツのハイフロータービンやレイル製オリジナルインテーク(9万4930円)をセット。最大ブースト圧1.5キロ時に193ps&トルク30kgmをマークしている。
「АT車って遅いどころか、シフトチェンジ時のラグが少ないのでストレートが速いんですよ。コーナー立ち上がりのトラクションは、ATSのカーボンLSDを入れることで補っています」とレイルの渋谷さん。
かなりのターボトルクが掛かるためATフルードの油温が気になるところだが、ATFクーラーレスでも100度以内に収まっているという。ただし、100度以上になると変速ショックが大きくなるため、その際はクーリングラップを挟むことを心掛けたい。
速さを引き出すポイントはずばりフットワークだ。KYBベースのオリジナル車高調「リアルスポーツダンパー」(28万6000円〜32万3950円)は、ステージを選ばずに使えるフレキシブルさを兼ね備えた逸品。減衰力32段調整を持つネジ式で、フロントには倒立式ダンパーを採用。3種類のキャンバーカラーも付属する。
リニアなペダルフィールと圧倒的な制動力を実現するAPレーシングのフロントキャリパーキット(4ポット)は、“レイル木更津”の専売モデルだ。ちなみに、装着タイヤはアドバンA08Bでサイズはフロント225/45R17、リヤ215/45R17となっている。
剛性アップも抜かりなく、リアピラーバー(2万2770円)を始めとする補強バーを追加。中でもフロントパフォーマンスバー(2万9150円)は効果絶大で、フロントサスメンバーの取り付け剛性を高めることで、加減速時の安定性が飛躍するそうだ。
「フロント周りの強化によりハンドリングがシャープになる他、ブレーキング時の安定感も高まります。またFFハッチ特有のリヤのバタ付きを抑えるには、リヤ周りの補強が効果的。色々とセッティングできるのも補強パーツの面白さだと思います」とレイルの渋谷さん。
ブリッドのフルバケが鎮座するインテリアはリアシートも残された快適仕様。ステアリングは社外品に交換されているが、試作キットで純正のステアリングスイッチ類を移設している。
足元には、ホールド性を高めるドライバーフットレスト(8690円)やアクセルとブレーキの段差を解消できるフットペダルセット(7590円)、そして滑り止め効果のあるアルミ製のフロアーパネルをインストール。価格は運転席用が1万3800円、助手席用は1万200円だ。
エクステリアには、試作のフロントアンダーパネルとGTウイングをセット。なお、GTウイングはブレーキシステム同様にレイル木更津の専売モデルとなっている。
このチューンドをサーキットで走らせた谷口信輝選手は「AT車だけど、全ての具材がむちゃくちゃ上手に料理されている。FFチューンで難しいのは、“旋回中にハンドルを切り足したところが応答するかしないか”って事なんだけど、リヤが滑るわけでもなく、接地しすぎることもない絶妙なセッティングだから乗りやすくて速い」と絶賛。
普段乗りも快適なのにサーキットでは一線級のパフォーマンスを披露する。そんなスイフトスポーツ乗りの理想ともいえる仕上がりを見事に具現化してみせたレイル。AT仕様の実力、侮りがたしだ。
●取材協力:レイル 神奈川県横浜市戸塚区平戸町335 TEL:045-824-1835/レイル木更津店 千葉県袖ヶ浦市三箇1677-5 TEL:0438-40-4847
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レイル
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