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512BBテイストを入れながら独自の“Z32R”を構築!
Zミーティング常連の有名マシン!
見渡す限りZだらけのイベント会場内で、ひときわ異彩を放っていたのがこのZ32。オールフェアレディZミーティングの常連で、2019年には「ベスト・オブ・フェアレディZ」を受賞しているという。
オーナーはイベント当日(5月5日)が誕生日で、66歳を迎えた加藤さん。独特のツートンカラーで彩られたZ32は、デビューと同時に新車で購入したものだ。
「完全に一目惚れで、発表と同時に即オーダーした1989年式のNAエンジン仕様2シーターがベースです。以前にはSA22C型のサバンナRX-7やDR30型のスカイラインに乗っていましたが、どのクルマもボトム部をブラックとしたレッドカラーが拘りなんです」と、加藤さんはまず説明してくれた。
加藤さんがレッド×ブラックに拘るのは、維持しやすい国産車ベースでフェラーリ512BBに近づけたいという思いから。しかし、30年以上に渡り追い続けてきた和製フェラーリプロジェクトは、約3年前に大きく方向転換。“Z32R”と名付けられたマシンはさらなる独自性を求めて、幻のカウンタックとして知られるウォルター・ウルフ仕様となったのだ。
ボディはこれまでに何度もリペイントを施しながらピカピカの状態を維持したもので、鮮やかなレッドはフェラーリレッドかと思いきやZ32純正色。
エアロパーツはフロントバンパーがターボ用の純正で、フロントにドゥーラック、リヤにJスピードのオーバーフェンダー、リヤディフューザーはデイトナ、ウイングはインパルというミックス構成。ウイングやフェンダーのウォルター・ウルフステッカーは、ワンオフで製作した。
足回りのチューニングも独創的で、車高調はBNR32用のオーリンズを流用。ブレンボキャリパーはフロントがF40、リヤはR34GT-R純正。ローターはベル部をアルマイトレッドとすることでボディとのマッチングを図った。装着ホイールはアドバンレーシングGTの18インチ(F8.5J R9.5J)で、センターキャップはワンオフで製作。
現在までに10万kmを走行したVG30DEエンジンは、5万kmの時点でオーバーホール済み。NAの気持ち良さを追求したファインチューンの内容は、アルティメイトのステンEXマニにマインズのスペシャルECU。エキゾーストマフラーは、絶版のジースプロジェクト4本出しタイプとなっている。バイク用の化粧ボルトやステンメッシュホースカバーなどによるドレスアップカスタムは自身で行っている。
インテリアはウォルター・ウルフメイクへの移行中とのことだが、ステアリングの選択やカーボンをアクセントとしたセンターコンソールの処理などからオーナーのラテンスポーツへの思いがひしひしと伝わる。シートはシートカバーにワンオフで刺繍を入れた世界にひとつのオリジナル。
そしてとどめがアパレル関係の知り合いに特注したというキャップとウェアで、マシンとオーナーまで含めた完全なコーディネイトを披露してくれた加藤さん。今後も理想を目指したカスタマイズは続くというから、さらなる進化にも期待は高まる。
PHOTO:土屋勇人
●取材イベント:ADVANオールフェアレディZミーティングin富士スピードウェイ2024