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HKSのファクトリーで新旧モデルの変更点を比較!
パフォーマンスをさらに高めて登場した進化型GRヤリス。その納車を待ちわびているユーザーにとっては、進化型対応のチューニングパーツの開発状況も気になるところだ。そんな中、WEB OPTIONはHKSがいち早く新旧ヤリスの変更点検証を実施するという情報をキャッチしたので現場に急行。マイナーチェンジモデルの進化ポイントを検証していこう。
パワーユニット
進化型GRヤリスに搭載されるG16Eエンジンは、これまでのシリーズ最強だったGRカローラ用と比較して304psの最大パワーは同じだが、トルクは37.7kgmから40.8kgmへとさらに高められている。エンジンルームに収まる様子は大きな変化はないようだが、電装系や補機類を見る限り、恐らくGRカローラ用をベースにしているというのがHKSの見解。エアクリーナーボックスの容量や吸気パイプ、エアフロなど吸気系は変わっていないようだ。
サージタンクとタービンチャンバーに装着されている2個の圧力センサーは、GRカローラから採用された高圧力対応タイプ。対応最大ブーストは従来型の約2.1キロに対し、約3.0キロまで上がっていると予測される。
クーリングシステム
新形状の3分割タイプフロントバンパーは、従来型のウィークポイントとされていた連続スポーツ走行時の油温、水温対策の必要性から導き出されたもの。
なお、検証を行った6速MTのRZハイパフォーマンスでは、バンパー右のダクト内にはサブラジエターを装備。8速ATでは左ダクトにATFクーラーも追加される。ウォータースプレー(グレードによりオプション)が組まれたインタークーラーは、“GR FOUR”のステンシルロゴ追加で目を引くが、外観上のサイズは従来型と大差はない。コア前のメッシュパネルが飛び石などを考慮した金属製になっているのも進化型のトピックだ。
細かなところだが、ラジエターのリザーバータンクが進化型は容量アップ仕様となっている。サブラジエター追加によるものなのかは現時点では不明だが、GRカローラ装着品と同じものと思われる。
エキゾーストシステム
新旧2台を並べて分かったのは、マフラーテールの太さの違いだ。インナーパイプ径に変わりはなく、パンチング部を厚くして消音性を高めるのが目的と思われる。リヤタイヤとテールの位置を見れば分かるように、左右テールの間隔も進化型の方が広くなっている。
また、バンパー内のメインサイレンサーも丸形断面から多角形断面となり、容量が拡大されている。これは、消音性能を高めるための変更というのがHKSの見解。今回の検証では触媒がどうなっているかは確認できなかったが、性能に関わるマフラーのパイプ径やレイアウトには大きな変更は無さそうだ。
ちなみに、フロントパイプとエンドマフラー接続部のフランジ形状は変更されていた。そのため、従来型用のスポーツマフラーはそのまま装着することは不可だ。
サスペンションシステム
進化型の大きな変更箇所として、各チューニングパーツメーカーが注目していたのがフロントサスペンションのアッパーマウント。挙動の応答性向上のために締結ボルト数が1本から3本になったが、今回確認して判明したのは、アッパーマウントはストラットタワーに面接触しているのではなく、肉抜されて線接触するような固定になっていることだ。
また、HKSではフロントのサスメンバーやロアアームはGRカローラと同様になると予想していたが、意外なことに従来型とイコール。一方のリヤサスも、ショックアブソーバーまで含めてハード面の変更は確認できなかった。
こうして目視による検証を終えたHKSだが、今後はエンジンや駆動系をバラしながら内部構造まで徹底的にチェックしていく予定とのこと。HKSのGRヤリス攻略はここから加速していくのだ。
●取材協力:エッチ・ケー・エス 静岡県富士宮市北山7181 TEL:0544-29-1235
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