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どっしり構える重厚感あるワイドボディ!
メルセデスベンツ専門店ならではのシャコタン化ノウハウも
オールジャンルのカスタムカーミーティング「W-OPTIONジャンボリー」で発見したメルセデスベンツW124型ワゴン。聞けばこのオーナー、同型のメルセデスベンツをこれまで3台所有してきたという筋金入りのW124マニアだったのだ。
W124シリーズは、現在もなおメルセデスベンツ・ファンを魅了してやまないEクラスの始祖だ。メルセデスの企業哲学である「最善か無か」という言葉を尊守した最後のモデルと呼ばれ、1995年の生産終了まで(ワゴンは1996年まで)に、日本市場だけで6万台以上をデリバリーした名車だ。
「友人から2.3Lの直4エンジン搭載モデルを譲ってもらったんです。そしたら見事にハマッてしまって。2台目は3.0Lの直6エンジン搭載モデル、そして3台目となるこのクルマは3.2Lの直6エンジン搭載モデルです」とはオーナー。ハコ替えの度にグレードアップしてきたわけだ。
メンテナンスは、埼玉県越谷市のW124専門店として知られる“TYプロデュース”が担当。「こういうクルマに乗り出すと自然と行く店も決まって、そこに慣れてくるともうコミュニティからは抜け出せなくなるんです(笑)。元々W124は憧れのクルマだったし、乗り替える時もこれ以外のモデルは目に入らなかったです」。
エンジン本体はノーマルとのことだが、W124の泣き所のひとつと言われるエアフロセンサーは熱害から保護するために断熱マットを巻いている。
ローダウン時の乗り味を確保するべく、メルセデスベンツSLシリーズに採用されているアッパーマウント部を移植し、ダンパー(TYプロデュース製ダウンサス仕様)の取り付け位置をかさ上げ。物理的にサスのストローク量を増やしているのだ。スタビライザーは硬めの500E用を流用している。
エクステリアにも手が入る。フロントは定番の500E純正フェンダー仕様で、ボディラインを崩すことなく違和感ないワイド化を実現。
一方のリヤは、VITT製フェンダーをベースに繋ぎ目をスムージング処理してフロント同様のナチュラルなワイドシルエットを構築。組み合わせるメッシュホイールは、19インチのNEEZユーロクロス(F8.5J R10J)だ。
ボディカラーは純正のアルマンダインレッドのままだが、ドアミラーやエンブレムなど要所要所にブラックを取り入れることでノーマルには持ち得ないシックな個性の演出に成功している。
ブラックアウト化されたエキゾーストマフラーは、100φデュアルテールのワンオフスペシャル。サイレンサーは排気効率アップを目的に内部をフルストレート化。さらに「低速トルクを落としたくなかったので、サイレンサー位置は変えずに抵抗を残すようにしています」とのこと。
ステアリングやパネル類にウッドが使われた落ち着いた雰囲気のインテリア。大型のステアリングや回転式の温度調整ダイヤル、シングルブレードのパノラマワイパーなど、触れるところ、目に付くところの全てがW124らしさを持つ。
絶妙なツライチ具合も含め、全身から渋いオーラを放つW124型ワゴン。オーナーの愛情と専門ショップの技が注ぎ込まれたカスタム仕様だが、見ているだけで「こんなクルマで週末のドライブを堪能したいな」という気持ちにさせられるものだ。
TEXT:長谷川実路(Miro HASEGAWA)
PHOTO:長谷川実路(Miro HASEGAWA)/澤田 優樹(Yuki SAWADA)/小竹 充(Mitsuru KOTAKE)
●取材イベント:W-OPTIONジャンボリー