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美しいワイドボディを有するT88タービン搭載のストリートスペック
鉄板叩き出しのオンリーワンモデル
この美しいJZA80スープラは、兵庫県の名門チューニングショップ“TCPマジック”が手掛けた最高速スペックだ。
マッド・マイクが駆るFD3S改4ローターターボ仕様の開発&メンテナンスを一手に引き受けていることから、ロータリー専門のイメージが強いが、実はレシプロも大の得意。このスープラは同社が創業当初から熟成を重ねてきた看板的な一台だ。
ハードチューンに対する適応力とそのポテンシャルを高く評価し、2JZ-GTEエンジン本体はハイカムの投入に留めている。タービンは数年前、それまで使っていたT88-34DからT88H-34Dへと変更。インジェクターも1000ccへと容量アップが図られた。最高出力は700psに達している。
その際、出力の上昇に伴い「トレッドとタイヤ幅の拡大」という大義名分の元、オリジナルワイドフェンダーのワンオフ製作に着手。フロントは社外FRPフェンダーをベースにファイバーを追加し、ワイド化とデザインの見直しを敢行。ホイールは10.5J+45サイズのボルクレーシングTE37で、25mmスペーサーをプラス。
そしてリヤはメタルワークによる叩き出し仕様となる。ノーマルに近いラインを残しながらオーバーフェンダー風の張り出しを与え、全幅を2mジャストにまで拡大。ホイールサイズは10.5J+15で、20mmスペーサーを追加してツライチを演出する。
そもそも、TCPマジックはチューニングカーのみならず、KカーやVIPセダンなどのカスタマイズにも精通したチューナーだ。このJZA80ではこれまでに培った経験とノウハウを結集し、下品ではなく、美しさと存在感が共存するフェンダーラインの構築に尽力したのである。
なお、フロントバンパーはアピール性と空力に優れるトップシークレット製をチョイス。ワイド化に伴って一部を加工する他、ワンオフのカナードとフロントディフューザーを装備している。
ディフューザーの完成度の高さから、リヤバンパーはトライアル製を選択。そこにワンオフのリヤカナードを追加し、オンリーワンの個性を演出している。
トレッド拡大によるレバー比の変化は、バネレートや減衰特性を中心としたサスチューンの再構築で対応。その結果、スタビなども併用したセットアップを推進し、感覚的には適度にロールさせながら、4輪の接地性を高い次元でバランスさせることに成功。路面のうねりも柔軟に吸収しながら、限界スピード域でも不安なく踏み切っていけるストリートファイターに仕上げられているのだ。
走り系とドレスアップ系、異なる要素が複雑に絡み合い化学反応を起こしたスープラ。まさに、ジャンルの壁を超えた極上のクロスオーバー仕様と言えるだろう。
SPECIFICATIONS
■エンジン:トラスト T88H-34Dタービン、エアクリーナー、EXマニ、フロントパイプ、マフラー、インタークーラー、オイルクーラー/HKS EVC、F-CON Vプロ/サード インジェクター(1000cc×6)、フューエルポンプ/マジック ラジエター/エクセディ カーボントリプルクラッチ/ATS カーボンLSD ■サスペンション:マジック N1ダンパー(F14kg/mm R12kg/mm)/アルコン キャリパー、ローター ■ホイール&タイヤ:ボルクレーシングTE37(F10.5J+45スペーサー25mm R10.5J+15スペーサー20mm)/ポテンザRE-01(275/35-18) ■エクステリア:マジック ワンオフワイドボディ、LEDテールランプ/トップシークレット フロントバンパー改/アブフラッグ サイドステップ改/トライアル リヤバンパー改/サード GTウイング
●取材協力:マジック 兵庫県西宮市山口町船坂119-2 TEL:078-903-3422
【関連リンク】
TCPマジック
http://www.tcp-magic.com