「守りに入らずハードチューンを貫く!」令和に誕生したボルトオンターボ仕様のNA1型NSXに迫る

時代は変われどNSXは最高のチューニングベースだ!

次なる目標は駆動系のキャパシティアップ!?

長年にわたりNSXのタイムアタックカーを走らせ続け、パワーチューンの幅を広げるためのツインターボ化や縦置きミッドシップ化など、全盛期からNSXに高度なチューニングを重ねてきたエスプリ。ターボチューンに関しても「多くはないけど…6台ほど行っていろいろと経験してきたかな?」というのは代表の前川さんだ。

今回紹介するマシンは、最近エスプリにて新規製作されたボルトオンターボ仕様。常連ユーザーが街乗り用として保有していたAT車がベースだが、放置期間が長かったことから傷みがひどく、各部のリフレッシュから作業がスタートしたという。

当初は後期純正ミッションを用いた6速MT化とNAファインチューンというオーダー。この純正MTとショートパーツが揃うまでに約2年もの月日がかかったそうで、その間にオーナーの想いも変化。時間をかけて製作するならと、ターボ化に踏み切ることとなった。

エンジン本体はワンオフの鍛造ピストン、コンロッドで強化を施した上でHKSのGT3-4Rタービンをセット。F-CON Vプロにて制御を行なう。現状はひとまずローブーストセッティングで走れるようにセットアップが行われた状態で、「エンジンを強化しているから400ps〜500psは狙えるけど、絶対にミッションも駆動系も保たないからなあ…」とは前川さん。

トランクルームはフロアをかさ上げし、リヤ下面にインタークーラーを縦に配置。アップスウィープで下面流を導くためのスペースを確保している。トランクルームにはエアクリーナーを設置し、スペースを大きなインダクションボックスとして用いる贅沢な作りだ。

ボディキットはソーサリーの当時モノをリフレッシュ。ボンネットはエスプリオリジナルのカーボンモデルで、ラジエターの冷却効率を大幅に高める。

ホイールはエンケイのGTC02、タイヤはオーナーさんの好奇心でシバタイヤR23(F245/35-18 R275/35-18)をセット。サスペンションはリフレッシュ前からのものでメーカー不明だが、今後現行製品に交換することになりそうだ。

実はこのマシン、ボディのゆがみが大きく純正のアライメント調整範囲に収められなかった。アルミボディは修正すると、新たなストレスを蓄えたりクラックの発生にも繋がりかねない、そこで、メンバーやアーム類は取り付けの穴加工などで調整幅を増やし、なんとか基準値に収めたという。

大人っぽいけど並じゃない、そんな特異なオーラを纏ったエスプリのNSXターボ。現代では希少となったハイチューンのNSXとして、今後も注目を集めること間違いなしの一台だ。

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●取材協力:エスプリ 三重県鈴鹿市住吉3-19-1 TEL:0593-70-8080

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