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切れ味鋭い走りを予感させる機能美に満ち溢れたスタイリング
豊富なノウハウを活かし精緻な作り込みを魅せるスーパーチューンド
ランエボチューンの名店、神奈川県の“ガレージHRS”の手によって製作されたこのランエボVIII(8)は、アメリカでのタイムアタックでトップを狙うべく製作されたマシンだ。そのためにパーツを吟味し、それまでのチューニングで培ったノウハウが惜しみなく注ぎ込まれている。
昔から「速いマシンは美しい」と言われるが、このチューンドはまさにその機能美の権化とも言うべき仕上がりを誇る。前衛的な空力デバイスの数々はもちろん、アートファクトリーグラフィックスの手によるラッピングも非常に美しいフィニッシュだ。
ベース車両は、ランエボ8RSのACD/AYC仕様。高回転域のみを使用するサーキットアタック専用車ということで、MIVECが搭載されている最終バージョンではなく、あえて可変バルタイレスの4G63エンジンを搭載している。
エンジン本体は、パワーエンタープライズ製の2.2Lストローカーキットによって排気量を拡大。吸気系にはHRSオリジナルのビッグスロットルや大容量サージタンクが組まれる。
タービンは、かつてパワーエンタープライズからリリースされていたRX-6Rを組み合わせることで、最大ブースト圧2.4キロ時に約600psものパワーをマーク。HRSの平山代表によれば、この2.2L化キットとRX-6Rタービンの組み合わせはタイムアタック仕様としてパワー&フィーリングに大きな魅力があるという。
とくに、F1直系のRX-6Rタービンは2.0キロを遥かに超えるハイブーストにも十分対応可能な上に、トップエンドまで途切れることなくパワーが追従するフィーリングを実現できるそうだ。
エンジンマネージメントは、関係の深いサイバーエボ仕様のチューンドECU+F-CON Vプロで行われている。
足回りはジールファンクションベースのオリジナル車高調でセットアップ。ブレーキは同じくエンドレスのフロント6ポット、リヤ4ポットキャリパーを装備。サイバーエボのワイドトレッドキットも、タイムアタックにおける大きな武器だ。
ホイールはエンケイデザインのAME TM-02を10.5J通しで装備。組み合わされるタイヤは、アメリカのタイムアタックシーンにおけるメジャー銘柄のプロクセスR888Rだ。
シンプルかつ美しい仕上げが光るインテリア。シャシーはやみくもに固めるのではなく、しなやかさを残すということで、一度完全なホワイトボディ状態にしてから剛性が必要な部分を吟味しスポット溶接増しを実施。ロールケージはアメリカ現地のレース規格に則って、神奈川県のウエルドがワンオフ製作している。
フロントフェンダーはHRSオリジナルをさらに広げて装着。その他のエアロパーツはサイバーエボも使用するボルテックス製をメインに構成されている。
リヤウイングも実績豊かなボルテックス製。ダブルウイングタイプで強烈なダウンフォースを獲得。ビッグパワーを安定して路面に伝え切る環境を作り上げる。
ただ闇雲にチューニングパーツをセットするのではなく、無駄な箇所は削り、必要な箇所は残して強化していく。当たり前のことではあるが、その見極めには絶対的なノウハウとセンスが必要であることは言うまでもない。決して派手すぎず、それでいて只者ではないオーラを放つ。まさに極上のサーキットスペックだ。(OPTION2誌2009年8月号より抜粋)
●取材協力:ガレージHRS 神奈川県横浜市都筑区池辺町4831 TEL:045-482-3626
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