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NAともスーパーチャージャーとも異なるフィーリング!
車検対応の専用スポーツ触媒も設定
排気量が2.4Lに引き上げられたことで、豊かなトルクを手に入れたGR86&BRZ。低回転域から力強く吹け上がるパワーフィールに不満を感じる人は少ないことだろう。
しかし、加速に慣れてくると、さらに上の世界も見てみたくなるもの。力は正義。速さを追い求めるスポーツカーだからこそ、誰にも負けない圧倒的なパフォーマンスを手に入れたいと考えるのも当然のことだ。
HKSではそんなチューニングフリークの期待に応えるべく、早々にGTIIスーパーチャージャープロキットを発売。まるで排気量アップしたかのようなフィーリングが話題を呼んだ。そして、2024年8月。水面下で開発が進められていたボルトオンターボキット(90万2000円)も、ついにリリースの運びとなったのだ。
パワーアップの要となるターボチャージャーは、400㎰オーバーを許容する風量を備えたGTIII-RSだ。基本設計は先代用を踏襲するが、FA24に合わせてA/Fを見直すなど仕様変更されている。具体的にはエキゾースト側を若干、絞るようなイメージで、低・中速域から過給圧が立ち上がるように設計。さらにスイングバルブのバルブ径を拡大し、過給圧のコントロール性も高められた。
さらにキットにはタービンを装着するに当たって必要になるエキマニやキャタライザー、インタークーラー、サクションパイプなどが全て同梱される。細部を見ていく。
車検対応のターボキットを開発するにあたり、ハードルとなったのがキャタライザー。排ガス規制は年々厳しくなっており、ターボ仕様で基準値をクリアするのは容易ではない。というのも、排気レイアウトの途中にあるタービンが熱エネルギーを奪ってしまうため、排気温度が低いと触媒が活性化しにくいのだ。
そこで、HKSでは内部のセル数や長さなどを最適化するためにテストを重ね、浄化性能と排気効率を両立した専用キャタライザーを開発。堂々と車検に通せるタービンキットを完成させた。なお、排気効率はもちろん耐久性にも拘った4-1集合エキマニもキットに付属する。
先代と比べて、フロントバンパー内のスペースが若干タイトになっているというGR86/BRZ。ゆえに前置きインタークーラーをそのまま流用というわけにもいかず、パイピングなどの見直しが図られている。コアサイズは390×270×100mmと十分な容量を確保。オイルクーラーと併用できる設計だ。
大幅にパワーを上乗せするだけに、セッティングは必須課目。そのアプローチは色々だが、HKSではより手軽にボルトオンターボ化を楽しんでもらおうと、専用セッティングデータ入りのF-CON iS(19万8000円)をラインナップして導入のハードルを下げる。これによりエンジンやミッションはもちろん、燃料系すら一切手を付けずに大幅なパワーアップが可能となる。配線をカットすることなく取り付けできる、カプラーオンハーネスが付属するのもポイントだ。
サーキット走行を走るならば、NAでもオイルクーラーの装着がマストと言われるほど油温のヒート傾向が強いGR86/BRZ。熱量が高まる過給機付きなら装備は必須と心得たい。HKSのオイルクーラーキット(23万9800円)は、ウォッシャータンクを移設して助手席側バンパー内にコアを設置。導風ダクトにより効率よく冷却できるような仕組みとなっている。新採用のメッシュホース&フィッティグを採用。専用のアルミ製ウォッシャータンクも同梱する。
エキゾーストチューニングも同時に行いたいポイントだ。HKSでは軽量&高効率なハイパワースペックLII(17万500円)を始め、リーガマックスプレミアムやリーガマックススポーツなど多彩なラインナップを用意。ステージや好みに応じて最良の1本を選ぶべし。
同じ過給機でもスーパーチャージャー仕様とは異なり、下から一気にトルクが立ち上がってくるターボ仕様。ひとたびアクセルを踏み込めば刺激的な加速が味わえる。最高出力は332psだ。しかも、これはブースト圧0.7キロの純正インジェクター仕様での結果。インジェクター容量を拡大して、ブースト圧を高めれば400㎰も視野に入る。さらなる発展性があるのもターボ仕様の魅力と言える。
ただし、トルク変動が大きいターボ仕様は、それだけ駆動系への負担も大きい。F-CON iS制御なら純正クラッチでも対応できるが、データを書き換えて更なるパワーを引き出す場合は強化クラッチへの変更が必要になる。また、スーパーチャージャーと比べて構成部品が多いだけに導入コストはかさむ方向。過給機仕様は魅力的な選択だが、ターボで行くのか、スーパーチャージャーで行くのか、じっくり吟味していただきたい。
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