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スープラの歴史を繋ぐマーシーオートの叡智
長く楽しむカスタムプランで生涯現役!
トヨタ2000GTの血を受け継いで1986年にデビューしたA70系スープラ。現役当時はトヨタのフラッグシップスポーツとして高い人気を誇ったが、それは令和になった今でも変わらない。中古車市場では、後継のA80系と同じように相場が右肩上がりなのだ。
愛知県に店舗を構える“マーシーオート”は、そうしたA70系オーナーの駆け込み寺的な存在だ。本格的なチューニングはもちろん、長く乗り続けることに主眼を置いたメンテナンスアイテムや補強パーツ等、様々なオリジナル部品を展開している。
そんな同社が手がけたJZA70が今回の主役だ。ベースは後期型の最上級グレードとなる2.5GTリミテッド。走行18万kmを超える老体だが、マーシー独自のリフレッシュ&チューニングによって高いポテンシャルを維持しているのが特徴だ。
心臓部の1JZ-GTEは、特別なパーツを使うことなく、純正部品ベースで高精度のオーバーホールを実行して回転フィールを向上。F-CON Vプロによる綿密なマネージメントによって、ブースト1.0キロ時に320㎰を絞り出している。
オリジナルのタワーバーはトルクダンパー付きでエンジンの振動を抑え、クラッチの入りも良くなる逸品。その他、劣化しやすいパワステ高圧ホースやヒーターホースといったゴム部品も交換済みだ。
インタークーラーやインテークパイプは、純正部品が製造廃止のためオリジナルで製作。とくに前置きの大容量インタークーラーは、素材から取り付け方法まで徹底的に拘った自信作とのことだ。
マフラーは抜けを重視したマーシーオートのオリジナルスペックを装備。素材はステンレス製でメイン80φ、エンド部は114φ。熟練の職人による完全ハンドメイド生産モデルながら、3万9800円という超ロープライスを実現しているのも見逃せない。
足回りは、RGのHSダンパー(減衰力15段の全長調整式)をベースにした専用スペックでセットアップ。アームを含めたサスペンションのゴムブッシュ類も全てリフレッシュ済みだ。
ブレーキキャリパーはウィルウッド製で、フロントが6ポットでリアが4ポット。これに日本製の380mmと355mmのスリットローターを組み合わせる。このセットは19インチホイール専用で、18インチや17インチに合わせたキットも用意されている。
エクステリアはメーカーミックス仕様だ。フロントバンパーは復刻版のレグルス、サイドスカートとリアアンダーはアブフラッグ、リアスポイラーはドゥーラックをそれぞれチョイス。ホイールはレイズのHOMURA 2×5sで、タイヤにはアドバンネオバ(F235/35R19 R265/30R19)をセットする。
フロントサイドマーカーはオレンジからクリアに交換することで、鮮度とおしゃれ感をアップ。これもマーシーオートの製品だ。
室内はワインレッド色で、心を一気に80年代へと引き戻してくれる。2.5GTリミテッドのパノラミックデジタルメーターは、経年劣化で表示が消えてしまう可能性があるため、デフィの追加メーター(タコメーター、水温計、ブースト)を配備している。
開口部が大きいハッチバック車であるA70系は、剛性の確保が難しい。さらにベースボディ自体が経年劣化している個体が多いため、各部のヤレは深刻なのだ。
そこで、マーシーオートは効果的にA70系の剛性を高められるパーツを開発。製品数は多いが、取材車両が装着しているのは、リヤタワーバー、モノコックバー、モノコックオプショナルバー。どれもポン付け設計だ。
「当社は基本メンテナンスショップですので、オリジナルパーツの多くは経年劣化で傷んだ純正部品のアップグレードや事故した時の代用品です。このクルマもストリートで安心して長く走れることを重視して仕上げています。今後も1台でも多く個体を残すために努力していきます!」と近藤さん。
好きなクルマをいつまでも現役で走らせる。スープラの歴史を繋ぐ意味でも、マーシーオートの存在は貴重と言えよう。
●取材協力:マーシーオートインポーツ 愛知県一宮市大和町妙興寺字伊勢田34-1 TEL:0586-43-7050
【関連リンク】
マーシーオートインポーツ
http://www.mirai.ne.jp/~marcy/html/