目次
ボディレストアとエンジンO/Hに対応!
ホワイトボディから徹底したレストアを実現
昨年で創設50周年を迎えた名門トムス。同社の新たな一手として東京オートサロン2025の舞台で発表されたのは、ボディレストアサービスである「トムスレストアサービス」だ。
トムスレストアサービスは、車体を一度ホワイトボディの状態にしてから施行する本格的なレストレーション。エンジンやトランスミッションはもちろん、各種部品や内装もすべて取り外し、車体に蓄積された劣化や問題点を把握する。
トヨタ車に精通したトムスだからこそ各車の発売当時の新車状態も熟知しており、経年による小さな変化も見逃さず、可能な限り新車当時の状態を再現していくという。
また、当時から弱点とされていたポイントをよくわかっているのもトムスレストアサービスの特徴。東京オートサロンの会場に展示されたのはAE86のホワイトボディだが、ハッチバックはリヤの開口部が大きく、剛性が低いのが宿命だ。
そこでボディ各部のスポット増しを行い、各車両の勘所には部分溶接も取り入れ、現代的な剛性感を実現。展示されたホワイトボディにも実際にスポット増しが行われており、ドアまわりのほか、インナーフェンダーなどにも施行。基本的には、もともとのスポット溶接跡の中間に打点を増やしていくので、簡単に言えば倍のスポット溶接数になるイメージだ。
もちろんAE86に限らず、トヨタの旧車全般に対応。JZA80以前のスープラやFR世代のカローラなどを所有し、いいコンディションを長く維持したい人にとっては注目すべき新サービスと言えるだろう。
もうひとつの目玉はトヨタ製エンジンのオーバーホールサービス「トムスエンジン」。内容の度合いによりAスペックからCスペックまでの3種類のエンジンスペックが設定されており、東京オートサロンの会場にはAスペックを実施したエンジン3機種が展示された。
4A-GEの20バルブがベースの「TRA-4L165」、3S-GEがベースの「TRA-3S220」、2JZ-GTEがベースの「TRA-2JT380」は、いずれも排気量や圧縮比などは変えずに、トヨタの純正部品を基準としたオーバーホール+αを実現。トムスの熟練レースエンジンメカニックが組み上げ、段付き修正や重量バランスの最適化なども行う。経年とともに劣化が進んでいるシリンダー内部の表面処理にも、レース屋ならではの技術が活用されているそうだ。
想定される最高出力や最大トルクはノーマルから大きく変わらないが、手で回してもクランクがクルクルとスムーズに回る精度を追求し、想定レブリミットも明確に引き上げられている。
さらに、BスペックはAスペックをベースに、選りすぐりのパーツを使って組み上げることにより、耐久性はやや落ちるものの、より高いパフォーマンスを実現。Cスペックに至っては、ユーザーの用途に合わせたオーダーメイドの仕様を決め、狙ったエンジン特性を引き出すという。
いずれも「パワーありき」という考え方ではなく、各エンジンが本来持つポテンシャルを引き出し、ストリートでの扱いやすさを重視しながら、たまにはサーキットも楽しみたいという人に最適な仕様を提供。歴戦の戦いを通してトムスが培った技術と精度の高さが、我が愛機に投入されるという絶大な安心感は、他に変え難い価値となるに違いない。
●取材協力:トムス TEL:03-3704-6191
【関連サイト】
トムス
https://www.tomsracing.co.jp
トムスオンラインショップ
https://www.tomsracing.co.jp/onlineshop/