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MAX IV SPが新世代モデルにバトンタッチ
最強の足をラーマン山田が試す!
20年以上に渡り、時代に合わせて進化が図られてきたHKSのハイパーマックスシリーズだが、その歴史に残る大刷新を施して、間も無くデビューするのが『ハイパーマックスR』だ。
これは、先行デビューの『ハイパーマックスS』に続く新世代ハイパーマックスシリーズのトップモデルで、ハイパーマックスMAX IV GTの後継機だ。ただし、従来モデルから踏襲しているのは基本となる単筒構造くらいで、全てをゼロから新設計。世界一の走行性能を目指した究極のスポーツ車高調なのである。
ピストンバルブは先行のハイパーマックスSで採用されたデュアルプリロードバルブを採用。シャフトに内蔵されている減衰力調整用のWRニードルは、形状の見直しによりワンクリック時の調整幅を拡大している。
ダンパーオイルはハイパーマックスR専用設計。高粘度指数の化学合成油で、熱による温度変化を抑制しサーキットの連続走行でも熱ダレ知らず。しっとり感と粘り、収まりの良さ実現している。
バンプラバーは、MAX IV GTスペックAやハイパーマックスSで採用している『アドバンスドバンプラバー』を投入。従来モデルでは、柔らくて長めのバンプラバーを使って早めにバンプタッチさせ、徐々に荷重を立ち上げる特性としていた。これに対し、Rではさらに柔らかい特性として自然で滑らかな動きを追求。車種によって短いタイプを採用するなど使い分けも行なっている。
ハイスペックと名付けられたスプリングもハイパーマックスR専用品。従来の200k級から210k級の高強度線材に切り替え、ステアリングレスポンスの向上と、高レートを感じさせない特性に仕上げている。
さらに、サスペンションの軸とスプリングの荷重線を同軸上に設定できる『スプリングリテーナー』をシリーズ初採用。ストローク時に起こるダンパーが左右方向に動く挙動は、スプリングに曲げの力が掛かるため伸縮の抵抗となるが、この力をキャンセルできるため滑らかな伸縮が可能となり、ハンドリングと乗り心地を向上させる。
ターザン山田が峠ステージでハイパーマックスRを試す!
試乗した箱根ターンパイクは、アップダウンもあるし路面も決して良いとは言えない。それだけサスの良し悪しが出やすい環境なんだけど、ハイパーマックスRはケチの付け所が見つからない、全てにおいて質感の高い車高調だよ。
ハイレートスプリングならではのレスポンスがありながら、荒れた路面や段差を乗り越えた時もゴツゴツ感は皆無。しっとりとした粘りのある乗り味が特徴で、狙ったラインをビシっとトレースしていける。
高速コーナーにフロント荷重を掛けて進入した時も、フロントイン側の対角線上にあるリヤアウト側のタイヤがしっかり接地していて、走りが破綻する気配が全くないから余裕を持って攻め込めるんだよね。
それに、ハイスピードレンジで乱暴にステアリングを左右に切ってみても、クルマが次の挙動に移行する前に素早くサスの動きを収めるから、ハンドリング性能も安定性も格別。オイル性能やバンプラバー、リテーナーの採用も効いている。
今回の試乗はアドバンA052を履いたBRZだったけど、バランスが良くて一体感のある走りが楽しめた。サーキット走行が主体の車高調とは思えないほど乗り心地が良いから、街乗りでも十分対応できるはず。この味付けは、R35GT-Rみたいな重量級マシンとの相性も絶対に良いはず。凄い足だよ。
リリースは7月下旬を予定
晴れた休日に高速クルージングを快適にこなして、そのままサーキットやワインディングを楽しむ。そんな趣味性の高いチューンド乗りに、最高の走り心地を提供してくれるのがハイパーマックスRという逸品だ。
なお、主要国産スポーツモデル用のラインナップはすでに多数スタンバイ。2022年7月下旬を目処にリリース開始予定とのことなので、車高調選びの候補に加えていただきたい。
●問い合わせ:エッチ・ケー・エス 静岡県富士宮市北山7181 TEL:0544-29-1235
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