「NAでもターボでも楽しめる純血スポーツ“Z32”の魅力を再検証」的確な機関リフレッシュでZの輝きを保つ!

バブルが生んだ貴婦人は機関リフレッシュ“プラスα”が正攻法

秘めたポテンシャルはGT-R以上か!?

意外かもしれないが、“レヴォルフェS.A.”で面倒を見ているZ32には、ターボ仕様のみならずノンターボ仕様も存在する。割合的にはターボが8割:NAが2割とのことだが、ここで紹介する2by2モデルの方、アイスブルーメタリックでオールペンされたZ32は、まさに後者をベースに製作されたチューンドだ。

「NA好きのZ32ユーザーって結構多いんです。VG30DEは良く出来てますからね。最近ではオーバーホールと同時にメカチューンをする、なんて機会も増えてきましたよ」とは、レヴォルフェS.A.創業者の溝田さん。

その例に漏れず、このZ32もエンジンオーバーホールついでに、純正0.5mmオーバーサイズピストンを導入した上、ポート研磨を始めとするソフトなヘッドチューンを敢行。そこに高効率のEXマニを中心にした排気チューン&軽量フライホイールを合わせ込んで、レスポンス重視の快感ユニットへと昇華させている。

「パワーは250ps前後ですが、これでもかなり面白い仕様になります。アクセルを踏み込んだ瞬間の感覚や、高回転まで回した時のサウンドなどは、ある意味VQ35DEより良い感じですもん」。

48φのEXマニと70φフロントパイプは、どちらもレヴォルフェのオリジナル品(ワンオフモデル)。触媒は純正を残し、エンドマフラーにはヴェイルサイド製ターボ用(メイン75φ→テール100φ)が奢られている。V6とは思えないほど甲高いエキゾーストサウンドは、まさに快感の一言だ。

フロントのブレーキキャリパー&ローターはAPレーシング製のキットで容量アップが図られ、リヤもBNR32純正ローターへと変更されている。車高調はテインのフレックス(F10kg/mm R8lg/mm)だ。

ドレスアップが映えるのもZ32の魅力。このマシンは、プロジェクトM製フロントリップにエアロパレス製サイドステップ、ミッション製リヤスポにグローバル製リヤフェンダー、そしてアブフラッグ製ディフューザーと、完全なエアロミック仕様となる。

一方、もう1台の2シーターモデルはレヴォルフェ比率8割に属するターボ仕様だ。本格チューニングはこれからという発展途上段階のマシンだが、劣化が著しいバキュームホースなどは新品パーツへと交換され、簡易リフレッシュが敢行されている。

「チューニングを行う前にホースやセンサー類は要交換。あと、ターボモデルはクランクシール&タービンシールからのオイル漏れや、バルブのステムシールの硬化によるオイル下がりを起こしている個体が多いので、それ相応の対策が必要です」。

そのような前処置を行った先にある、レヴォルフェ流のVG30DETTチューンは、GT2530もしくはTD04Hを使用したポン付けターボ仕様だ。出力的には、エンジン本体の状態にもよるがブースト1.1キロ程度で430ps前後がターゲットとなる。

美しくインストールされたデフィBFメーター(水温&油温)。溝田さんいわく「Z32は温度管理が重要です。エンジンルーム内がキツキツで熱の逃げ場がないので、ノーマルでも渋滞にはまると水温&油温が一気に上昇しますからね」とのこと。

足回りはビルシュタインベースのレヴォルフェオリジナル車高調(F12kg/mm R8kg/mm)を軸にセットアップ。また、ガタが出やすくサスチューンの足かせとなりやすいハイキャスは、東名パワードのロッドを使用してキャンセルしている。

フロント同様、リヤストラット間にも超極太のボーダー製タワーバー(廃盤モデル)をセット。ハッチバックのZ32はリヤの剛性が低いため、この手のパーツは必須と言える。

「各機関のコンディションさえ保たれていれば、パワーアップは簡単です。450psまでなら本体ノーマルのままイケますからね。最高速勝負ならGT-Rにも負けませんよ」。そう生粋の最高速ジャンキーである溝田さんが語るように、空力に優れるZ32はブーストアップで280キロ、やり方次第ではオーバー320キロも狙えるほどの実力者だ。

当時、乗用車ベースのスポーティカーしか存在しなかった国内市場に、堂々と“スポーツカー”をうたって登場したZ32。そのポテンシャルは未だ現役なのである。

●取材協力:レヴォルフェエスアー 神奈川県横浜市都筑区池辺町3960 TEL:045-929-6087

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【関連リンク】
レヴォルフェS.A.
http://www.revolfe.com/

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