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高い安定性を誇るシャシーとエンジンパワーで300km/h目前!
エスプリ作のスーパーセダンを飯田章が踏みまくる
ホンダNSXに日産GT-R、そしてトヨタ86と、メーカーや車種に捉われることなくハイパフォーマンスを追求してきた“エスプリ”が、新たなターゲットとして選んだのはスカイライン400R。
約40年前のエスプリ創業当時、最初に導入されたデモカーがDR30スカイラインだったということで、思い入れはひとしおなのだという。加えて、今回の取材場所は高速周回路だ。谷田部で名を挙げた歴戦のトップチューナーが燃えないわけがない。
持ち込んだ400Rは、チューニングのファーストステップといえる仕様だ。3.0LツインターボのVR30DDTTは、オリジナルのECUセッティングでブースト圧を1.4キロに設定。
さらに最高速テストに合わせて第2触媒を外した結果、ブースト圧に変化はないものの、出力は実測で470psから480psへとパワーアップしたそう。エアクリカバーを撤去して吸入空気量を増やしている点も注目だ。
排気系は3月にリリースとなったHKSのスーパーターボマフラー。400R専用のフルデュアルレイアウトを採用した高機能エキゾーストシステムだ。
サスペンションはHKSのハイパーマックスMAX4GT2020スペックをベースに、スプリングレートをフロント14kg/mmから16kg/mmに、リヤを8kg/mmから12kg/mmに変更したもの。
プロドライブ0100ホイール(9.5J×19+40)に組み合わされるのは、ポテンザRE-12D(245/40R19)。なお、アライメント設定はタイヤの転がり抵抗低減を狙った最高速仕様とされている。
プレミアムスポーツセダンの400Rに合わせて、シートはブリッドのプレミアムモデルedirb033を装着。ダッシュボード周りでは、Aピラーに装着されたブーストメーター以外は至ってノーマル。快適なストリートクルーザーに仕立てられている。
エクステリアも独自の空力チューンが敢行されている。フロントバンパーにはダブルカナードをセット。これはメルセデスの純正パーツからの流用だ。
リヤにはエスプリオリジナルのトランクスポイラー(6万3800円)を装備。最高速を落とすことなく、超高速域での安定性確保を狙った形状だ。なお、エスプリではサーキット向けにダウンフォースを重視した、GTウイング042もラインナップしている。
豊富な経験を踏まえて、今回の目標値は290km/hに設定していたエスプリだったが、結果は283.53km/h。何らかの車両制御が介入して記録が伸びなかったのだ。
その原因として考えられるのは、やはり他のアタック車両同様、水冷式インタークーラーの容量不足による吸気温度上昇。これにより、エンジン保護のためのフェイルセーフが働いたというのがエスプリ前川代表の読みだ。
しかし、初の超高速走行で明るい要素も確認できた。特にトランクスポイラーの効果は高く、アタックを担当した飯田章選手も「280km/hオーバーでも安心感が凄い。まだまだいけるね!」と太鼓判を押していたほど。
盛り上がりを見せるスカイライン400RとGRスープラによる最高速アタック。その渦中にいるエスプリ400Rの動向には、今後も注目していきたい。
●取材協力:エスプリ 三重県鈴鹿市住吉3-19-1 TEL:0593-70-8080
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