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鈴鹿アタックでは2分15秒の好タイムをマーク！
ストリートも安心して走れる800馬力のモンスター
BNR32からBNR34まで、一目見た瞬間に脳裏へ焼き付くカラーリングをまとわせたデモカー『イエローシャーク』で、第二世代GT-RとRB26の速さを引き出してきた“オートセレクト”。「ストリートカーでサーキットも楽しむ」というポリシーのもと、ステージを選ばないクルマ作りだけでなく、ユーザーのドライビングスキル向上にも全力で取り組んできたRマイスターだ。
数々のチューンドRを生み出してきたオートセレクトが悩みに悩んで渾身の1台として披露するのは、800ps仕様のBCNR33。コンマ1秒を削ぎ落とすサーキットアタッカー的なオーラを放っているが、エアコンやヒーターも備えたストリート主体のオールラウンダーに仕上げられている。
「チューニング内容だけで推すなら3.1LのVカム仕様もありますが、クルマとユーザーの双方から熟慮して、このBCNR33をピックアップしました。オーナーはサーキットメインのBNR34も所有しているのですが、クルマの速さにドラテクが追いついていない…と練習用にこのBCNR33を増車。速さに対する向上心と努力だけでなく、踏みっぷりがとにかく凄い。サーキットを筆頭にあらゆるステージを全力で駆け抜けていますね」とは、ドライビングを指南してきたオートセレクトの澤誠二郎さん。
ちなみに、迎え入れた当時のBCNR33は2.7L×TO4Rの700ps仕様だった。高速ステージだけなら手を加える必要はなかったが、ステージを問わずに楽しめるマシンに仕上げたいというリクエストを満たすため、モディファイをスタート。
ポイントは高回転で本領を発揮するタービンチョイスに、中間域をカバーする2.9L化と可変バルタイの搭載。サーキット主体のBNR34も同じ考えでアプローチしているが、ストリート主体のオールラウンダーであるBCNR33では、コンプレッサー側にビレットフルブレードを、エキゾースト側にカットバックを加えたT78改で、中高回転域の繋がりを強化する。
エンジンマネージメントには制御の秀逸さで知られるLINK G4Xを採用。条件変化の大きいストリートでは補正の確かさが頼もしい。また、一定条件でロギングするように設定し、ドライビングアドバイスにも活用する。
足回りの軸となるのは、ストリートからレースまで走り込んで仕上げられたオートセレクトの湾岸サスキットだ。路面変化へ柔軟に対応させるためのフロント18kg/mm＆リヤ16kg/mmというセットだが、サーキットでもしっかりと速さに結び付ける懐深さを持つ。
ハンドリングとトラクションをバランスさせるため、LSDセッティングはリヤ主体に仕上げている。フロントはパーツ強化として低イニシャルのニスモ1.5WAY、リヤにクスコタイプRS1.5WAYを与えてトラクションを稼ぐ。
スパルタンなオーラを放つ室内だが、エアコン＆ヒーター備えたストリート仕様だ。BNR34用ゲトラグミッションは6速組み替えでクロス化され、320km/hを可能とする3.5ファイナルギヤが与えられている。
「全開時間の長さや多彩なステージへの対応を考えると、ストリート主体のオールラウンダーは簡単じゃない。タフネスさの引き出し、路面変化に左右されないフットワークの柔軟性など、これまで培ってきたノウハウを注ぎ込みました」とは、セットアップを手掛ける澤英一郎さん。
なお、タイヤウォーマーなど万全の体制で鈴鹿のアタックイベントを走らせたファーストカーのBNR34は2分10秒。一方、セカンドカーのBCNR33は別の機会に2分15秒をマークしており、オールラウンダーとしての完成度をタイムでも明確に示している。
細かく塗装が剥げたフロントバンパー、飛び石対策の開口部ネットからも、オーナーの本気度と踏みっぷりが伝わってくる。百戦錬磨のRマイスターが渾身の1台として推したことにも納得だ。
●取材協力：オートセレクト 大阪府堺市美原区丹上221-5 TEL：072-363-0383
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