「カプチーノでポルシェ935を完全再現!?」これでナンバー付き公認車という事実・・・

K4-GPを楽しむために生まれた魔改造仕様!

フレーム無加工で装着可能なボディキットを開発

今回紹介するのは、一目見ただけではベース車が分からないほど丁寧に作られたポルシェ935のレプリカ仕様。その正体は、何とEA21R型カプチーノ。全幅で約30cmワイド、全長に至っては約1m近く伸ばしているというカプチーノ935なのだ。

この魔改造マシンを作るに至った経緯は、K4-GP(富士スピードウェイで開催されている軽自動車中心の耐久レース)でのクラッシュが発端。

「最初は普通のカプチーノで参戦したんだけどクラッシュしちゃって。どうせ直すんだったら世界で1台のクルマを作ろうって話になって、チーム員の大半が好きだったポルシェ風の外観にしたんだよ」と話すのは、ビルダー兼チームメカニック(KATZ RACINGチーム)のT-GARAGEの萩原さん。

ポルシェの中でも935がモデルとして選ばれたのは、ワンオフ製作が困難なヘッドライト周辺の造形にある。ヘッドライトASSYをポルシェ純正流用で構築すると、ボディとヘッドライトのサイズがマッチせず、自然なデザインとならない。その点、大型のフォグランプのみで同様の雰囲気を出せる935なら再現性が高いと考えたのである。

エクステリアの製作にあたっては、ポルシェ935の図面やプラモデルで細部形状を確認しながら、スケールモデルを3Dスキャンして寸法を計算。そこから実車のカプチーノに粘土を貼り込み、3Dデータを入力したモデリングマシン(5軸のフライスのような機械)で粘土を削りながら型を製作。そしてFRPでボディキットを製造…と、かなりの手間と労力がかかっている。

「カプチーノはFR車で、ポルシェ935はRR車。そのため、前後フェンダー形状が全く異なる。RRのデザインをFRに落とし込もうとするから、どうしてもフロントフェンダーは長く、リヤフェンダーは短くなっちゃう。その辻褄合わせが大変だった。でも、苦労した甲斐があって、ボディ無加工で装着できるキットが完成したんだ」とは萩原さん。

ボンネットを外してエンジンルームを覗くと、カプチーノのF6Aユニットがお出迎え。萩原さん曰く約60psのF6Aとのことだが、耐久レース仕様のため燃費とパワーの両立を図ったチューニングが施されているそうだ。

室内は想像以上にノーマル然とした印象。「チーム員はカート乗り中心なのでメーターを見るのが苦手で(笑)」との理由から、追加メーターはあえて設置していない。暑さ対策のダクトと様々な方向を確認出来るミラーの多さが、レースの特性を物語る。

テールレンズは本物のポルシェから流用。中古でもかなり高価なパーツなので、レース中に追突されないことを願うばかりだとか。ちなみにフロントは延長アームで、リヤはホイールスペーサーでトレッドを広げている。

このカプチーノの最も驚くべき点は、この状態で公認車検を取得しているところ。「気軽に練習へ行けるようにした方が良いし、便利だし。これで正月の川口湖に行きたいし(笑) それで公認車検を取ったんです」とのこと。

左からマシン製作&メカニックの萩原さん/同じくメカニックの西田さん/KATZ RACINGリーダーの勝又さん。

成績上位を目指すというよりは「いかにして耐久レースを楽しむか」に主眼を置いて、今後もこのカプチーノ935でK4-GPにチャレンジしていくというKATZ RACING。ぜひ現地へ出向き、実車の作り込みとレースでの奮闘ぶりを見届けていただきたい。

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