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8500rpmを許容するトルクフルな180馬力仕様!
134aエアコンや電動パワステ導入によるリフレッシュも実施
パッと見は年式なりのヤレが進んだノーマル風のAW11型MR2。しかし、その中身は敏腕チューナーのノウハウが存分に注ぎ込まれた、至高の1台へと仕上げられている。オーナーは、若い頃にハチロクに乗っていた“take-mon”さん。結婚を機にクルマ遊びから遠ざかっていたそうだが、子供が手離れしたタイミングで復活。昔憧れていたAW11を手に入れた。
「CSポルシェの藤本店長に、状態が良いベース車を探してもらいました。AW11はスーパーチャージャー仕様の設定もありますが、コンプレッサーが壊れると修理が困難と聞き、後期のNAモデルを選んだんです」。
エンジンチューンに踏み切ったのは、サーキットでのタイムアップを目指してのこと。足やブレーキ、デフなど、ひと通り手を入れて、最後にエンジンを作ろうという話になった。
「パワーが欲しかったので5バルブ4A-Gをベースにしました。ドナーのAE111を買ってきて6速ミッションごと載せ替えています」とは、カーショップポルシェの藤本さん。ただ、ミッションは3車種の部品を組み合わせて移植されている。
「エンジンはJUNに特注オーダーした1.8Lカスタムキットを組み込み、5A-G化(約1710cc化)しています。こちらは、ピストンの首振りを抑えるためにピンハイトもギリギリまで攻めているので信頼性は高いですよ」。鍛造ピストン、I断面コンロッド、フルカウンタークランクで構成されるJUNの5A-Gカスタムキットは、このAW11が搭載1号機。いずれJUNより市販化される予定とか。
当然、ヘッド周りにも手が入る。TODA製の288度カムや強化バルブスプリングを入れた上で、圧縮比は12.8にセット。そこに4連スロットルを組み合わせることで、触媒&車検対応マフラー付きでも約180psを発揮。排気系をストレート化したサーキットスペックなら200ps超も視野に入ってくるそうだ。
エンジンマネージメントはF-CON Vプロの3.4が担う。5A-G化に伴い、エンジンハーネスも全て引き直される。
ミッションは、AE111純正6速を加工流用。街中での扱いやすさを重視して、ATSのカーボンクラッチ&LSDも投入する。134a型エアコンのコンバートや電動パワステ化により、街乗りも快適だ。サーキット走行を楽しむため、シートはレカロRSM 2700Gを奮発した。
足回りはカーショップポルシェ特注仕様のZEALファンクション.comで、スプリングレートはフロント6kg/mm、リヤ7kg/mmをチョイス。スーパーチャージャー仕様のみに装着されるリヤスタビも移植し、トラクション性能の向上を図る。
「エンジンの仕様は藤本店長にお任せです。トルクがあるので発進も楽。回転の上昇が早くてシフト追いつかないくらいですね。アッと言う間に8000rpmまで回ってしまいます。サーキットでも楽しく、気持ち良く走れるクルマに仕上がりましたよ!」と、オーナーのtake-monさんも大満足の様子。
ノーマル風の外観からは想像しにくいが、ガッチリ作り込まれた、燻し銀のレストモッドなのだ。
PHOTO&REPORT:石川大輔
●取材協力:カーショップポルシェ 山梨県南アルプス市東南湖952-2 TEL:055-284-0813
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