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BCNR33の内装が違和感なくフル移植されたサンマル!
“本気”と“遊び”のコントラストがカッコ良すぎる
三重県の“コモンスナッパー”は、アメ車やミニトラックを中心にしながらオールジャンルのカスタムを得意とするプロショップ。今回紹介するS30Zは、そんな名門ビルダーのテクニックと思想がいかんなく発揮された1台だ。
「サーキットからストリートまで快適に」というテーマで製作されたこの”サンマル”、パッと見は美しく仕上げられた普通のチューニングカーなのだが、なんとエンジンからインテリアまでBCNR33型スカイラインGT-Rのパーツを移植した魔改造仕様なのである!
S30ZにRB26DETTを換装するケースはたまに見かけるが、第二世代GT-RのダッシュボードやシートをS30Zに移植したなどという話は聞いたことがない。
もちろん移植作業は簡単…というわけもなく、寸法合わせ加工を施して切った張ったの大作業が必要だったことは言うまでもない。
なお、移植されたGT-R用ダッシュボードはレッドステッチ入りのレザーで覆われているのだが、これは高級感を演出しつつダッシュボードの加工跡を隠すための技でもある。塗装ではここまでの質感は出せないからだ。メーターはボディカラーに合わせてニスモのフルスケールをチョイスしている。
センターコンソールも、もちろんBCNR33用をセット。
本来、剥き出しになるシートレールはカバーを製作して隠しており、こうした細部の作り込みがハイクオリティに繋がっているわけだ。
さらに、アクセルペダルもBCNR33用で、これはロッド式アクセルをワイヤー式にするのに都合が良かったからという理由もある。
もちろんシートもBCNR33用だ。レザーで張り替えることで単なるスワップとは一線を画す質感の高さを手にしている。
ドアパネルは、移植したBCNR33ダッシュボードと残されたS30Zの内装との調和を考えてワンオフされている。
そして、ラゲッジスペースにはレース用の安全タンクをインストール。これは、機能性と言うよりも走りを連想させるための演出だ。その手前にはキッカーのアンプがマウントされている。こうした“遊び”と“本気”のコントラストこそが、このマシンの特徴と言えよう。
遊び要素の核となるカスタムオーディオは、どちらかというと国産オーディオが主流の中、あえてキッカー製を中心にシステムを構築。インテリアやエクステリアをシンプルにまとめつつ、個性的なデザインのスピーカーでアクセントを付けているわけだ。
換装されたRB26DETTは東名パワードのレイテックによる制御で最適化したブーストアップ仕様だ。クローム仕様のヘッドがチューンド指数を高めている。
エクステリアカスタムも抜かりなく、トータルフォルムは変えずに各部をスムージング。ドアノブも廃され、ドアの開閉はアクチュエーターによるリモコン制御としている。
テールレンズをはじめ、ヘッドライト以外のライティングパーツは全てLED化。サイドマーカーはZ32用をパネル面に埋め込むカタチでインストールする。
ホイールは18インチのSSRプロフェッサーMS-1で、タイヤにはナンカンNS-II(225/35-18、255/35-18)をセット。汎用のオーバーフェンダーと深リムのマッチングが絶妙だ。
大胆な技を連発しつつも、それぞれが破綻することなくトータルコーディネイトされているカスタムS30Z。コモンスナッパーの想像力と技術力の高さには舌を巻くばかりだ。
●取材協力:コモンスナッパー TEL:0595-23-9771
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