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プロドライバーが絶句するほどの超ジャジャ馬仕様!
K6Aエンジンの極限に挑み続けるピットロードMの意欲作
GT-Rテイストを注入したド迫力のエクステリアに、フルチューンのK6Aを搭載した“ピットロードM“作のKeiワークス。細部まで隙のない仕上がりを見せているが、実はこの車両、デモカーなどではなくオンリーワンを目指して、数え切れないほどのリメイクを重ねてきたユーザーカーなのだ。
心臓部のK6Aは、腰下にJUNのカスタムキットを投入して830ccまで排気量を拡大。ヘッドにもくまなく手を入れた上で、タービンにはTF035HLをセット。このハイスペックユニットに最大ブースト1.6キロをかける事で、実測で300ps/6911rpm、38kgm/6336rpm(NOS噴射時)という2.0Lターボクラス並みの戦闘力を手にしているのだ。
なお、エンジン自体は1万rpmも許容する作りだが、オーナードライブ時の耐久性を考慮して8500rpmでレブリミットを入れている。
ドーピングアイテムとして投入されたNOSは、タイムアタックだけでなく周回レースまでこなせるようにタンクを2本セット。3500rpm以上を作動条件としているが、満タン状態から30分程度は走り込めるそうだ。
ハイパワー化によって負担が大きくなるミッションは、専用のMTオイルクーラーで対策。ミレニアムジェイドのボディカラーと乱人製をベースにしたBNR34風のフロントバンパーが、Keiワークスらしからぬ顔付きを演出する。
サスペンションは、アラゴスタのタイプSSをベースにしたピットロードMのオリジナル車高調(F12kg/mm R6kg/mm)でセットアップ。ストロークが不足するリヤは簡単にインリフトしてしまうため、現状はアクスル加工などは行わずにストレートでしっかり踏めるセッティングとしている。
軽量モデルとはいえ、さすがに300psともなるとストッピングパワーの強化は必須項目。この車両はプロジェクトミューのキャリパーシステムを投入している。
ホイールはハロースペシャルのエイトシックス(8.0J×14)で、タイヤにはアドバンA050(185/55-14)をセット。LSDにはクスコのタイプRSをベースにしたピットロードMスペシャルを奢る。
コクピットには、シビアなコンディションを管理できるようオートメーターのシフトランプ付きタコメーターやデフィの60φ追加メーターを配備。特徴的なシフトは、イケヤフォーミュラのシーケンシフターだ。
剛性アップも徹底。負荷のかかるストラットタワーを中心にスポット溶接増しを行なった上で、サイトウロールケージの8点式ロールケージをセット。しかし、300psものパワーを受け止めるボディとしてはこれでも足りないというから恐れ入る。
フェンダーは片側92.5mmものワイド仕様を、ピットロードMがワンオフ製作。ディフューザーやカナード、GTウイングなどもワンオフ品だ。現在は車検を切っているが、この状態で公認を取得している白ナンバーマシンなのだ。
820kgの軽量ボディと300psの強心臓のコンビは強烈で、セントラルサーキットで試乗した井入宏之選手は「やばいわ! ワイドボディ+Sタイヤでも真っ直ぐ走らせることすら難しいほど。トルクステアも凄いからハンドルから手を離せんし、アクセルも一度開けたら下手に戻せへん(笑)」と絶句。
完全なジャジャ馬だが、オーナー(しかも女性!)に言わせると「パワーはやっと良い感じになってきました」とアッサリ。今後は、コーナリングでも安定した走りが可能なマシンを目指してまだまだ進化させていくというから楽しみだ。
●取材協力:ピットロードM 兵庫県姫路市安富町安志912 TEL:0790-66-3359
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ピットロードM
http://www.pitroadm.com