目次
ベースは超希少なVスペックII・N1だ!
全盛期の湾岸を駆け抜けた超スパルタン仕様
全盛期の湾岸を走り抜けたBNR32の登場だ。エアコンやオーディオも撤去されたスパルタンな仕様だが、実はベースは超貴重なVスペックIIのN1だったりする。
5速MT+4.1ファイナルのままで最高速トライアルを征するべく、あえて高回転で爆発するような出力特性に仕上げられているのがポイントだ。
エンジン本体はカム交換のみ行われ、大容量ポンプ&555ccインジェクターで燃料系を強化した上でGT2530タービンをセット。最大ブースト圧は1.4キロで、600psオーバーを発生させる。
制御系はZ32エアフロ+純正ECU書き換えで対応。また、タバタアルミ2層ラジエターやニスモ25段オイルクーラーなどで冷却系の強化も抜かり無し。
ホイール&タイヤはBBS DTM(9.2Jオフセット+20)にポテンザRE-01R(245/40-18)という組み合わせ。フロントリップスポイラーはフジムラオート製が装着される。
ロールケージで覆われた室内は非常にシンプルなメイキングだ。メインメーターはスタックST8100に交換。追加メーターはデフィ製で、メーターパネル右側にブースト計、グローブボックス内に油圧、油温、排気温計がセットされる。
尋常ではないバンパー焼けが本気度を物語るリヤセクション。マフラーはMCR製のステンレス、アンダーディフューザーはアブフラッグ製をチョイスしている。
「このVスペックII・N1は探していたわけでなく、出モノが偶然そうだっただけなんです。湾岸は毎週のように走りに行ってましたね。ただ、どこかのチームに入ってるわけではなかったので、いつも単独で走りにきてる連中と競ってました」とオーナー。
かつて「空力に優れたZ32で500ps、R32なら600ps」と言われた湾岸300km/hの世界。このGT-Rはそのラインを狙ってメイキングが進められたことは言うまでも無いが、只者ではないオーラを隠しきれていないその佇まいは、まさにリアルチューンドのそれだ。