「戦闘力はGT-R並み!?」V35型スカイラインクーペの究極進化系、登場

トラブルを機に470馬力のフルチューン仕様へとステップアップ!

GTS7040スーパーチャージャーの封印を解き放つ

VQ35DE定番のGTスーパーチャージャー仕様でV35チューニングライフを満喫していたオーナーだったが、大雨の日に不幸にもウォーターハンマー(吸気からシリンダー内に大量の水を吸い込んでエンジンがブローする現象)を起こし、エンジンを全損させてしまう。

普通はここで心が折れるものだが、このオーナーは違った。主治医である千葉県の“カーメイキングレヴュー”へと車両をすぐに運び、“エンジン修復と同時に本格的な腰下チューニング”をオーダー。自分が理想とするストリート仕様の製作を決意したのだ。そうして誕生したのが、R35GT-R並みのパフォーマンスを誇るこのオーバー450ps仕様だった。

エンジン内部は、CPキャリロの鍛造ピストンとJUNのI断面コンロッドを組み込んで強化。さらに、スーパーチャージャーの吸気効率を高めるべく、ヘッドにはHKSのハイカムを投入している。

スーパーチャージャー本体はHKSのGTS7040だが、キットをそのまま取り付けるのではなく、プーリーを小径のものに交換してブースト圧を0.8キロ前後までアップ。容量が不足する燃料系も、インジェクターを550ccへ、燃料ポンプをRH9強化品へとそれぞれ変更。こうしたチューニングにより、470psもの出力を手にしている。

また、純正のエアフロ制御では360ps程で計測できる風量限界を超えてしまう。そこでF-CON Vプロを用いてDジェトロ化。当初、エアフロの位置変更なども試したそうだが、最終的には現在のエアフロレス仕様に落ち着いたという。

F-CON Vプロのセッティングは、片バンクごとの燃調まできっちり整えてマネージメント。その結果、街乗りで使うハーフスロットル域でもギクシャクすることなく、全域で気持ちの良い加速を見せる特性に仕上がったそうだ。

排気系はEXマニからエンドマフラーまでHKS製で統一。音量はジェントルな仕上がりで、住宅地でも排気音を気にすることなく乗ることができる。

オイルクーラーはレヴューのオリジナル品。これほどの大パワー仕様であっても、夏場の渋滞で水温が90度台で安定する逸品で、街乗りレベルでは温度上昇に困ることはないそうだ。

足回りは、HKSハイパーマックスIV-SPをベースにスプリングレートを少しアップした仕様で、フロント16kg/mm、リヤ14kg/mmの設定。ブレーキキャリパーは前期のノーマルだが、ローターは大径化されたV36用に組み替えている。

サーキット走行などは行わない完全なストリートスペックのため、室内は快適そのもの。カスタムオーディオなども備えた仕様だ。

深いコンケイブが特徴のホイールはワークエモーションのT7Rで、サイズはフロント9.5Jのリヤ10.5J。エアロパーツはファイナルコネクションのフロントバンパーと、インパルのサイドステップを装備している。

アクセル全開時の加速力は、1500kgオーバーの車重を感じさせないほど刺激的でパワフル。それでいながら街中で扱いにくさを感じることもなく、まさにオーナーが理想とする超軽快なストリートチューンドへと変貌を遂げたのだ。

●取材協力:カーメイキングレヴュー 千葉県袖ヶ浦市長浦580-74 TEL:0438-60-3133

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