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中低速トルク重視でも十分な最高速スペック!
RB26DETTチューンのお手本的仕様
このBCNR33は、何を隠そう、かつてOPTION誌の最高速アタック企画で実測304.5キロという数値をマークしたチューンドそのもの。完全なる街乗り仕様ということで、乗りやすく壊れにくい万能型スペックを求めてチューニングが進められた一台だ。
エンジンはガレージ八幡により、本体ノーマルのまま線の細いトルク特性を改善する策が講じられたRB26(BNR34ニュルスペックユニット)改。ヘッドにRB26チューンに革命をもたらしたHKS製Vカム(ステップ1-A:可変量30度)をセットしていることがポイントだ。カムシャフトはIN側にHKS(248度/8.6mmリフト)、EX側に東名パワードのポンカム(260度/9.15mmリフト)が組まれる。
タービンは、ノーマル以上の中低速トルクを確保するためにHKSのGT-SSツインを選択。「純粋に最高速を狙うならトラストのT517Zに分があるけど、トータルでの乗りやすさを求めるならGT-SS! でも、SSはもう廃盤だから今ならGTIII-SSやね」とはガレージ八幡の森田代表の弁。
F-CON Vプロ&D-SBC(最大ブースト1.3キロ)でセッティングを煮詰め、最高出力はシャシダイで504.9ps&61.4kgmを発揮している。
エキゾースト環境は、車検対応が絶対のため触媒はレスではなくアペックスのスポーツキャタライザーを導入。マフラーも合法仕様のアペックスRSエボリューションが奢られている。
サスペンションはストック状態のアペックスN1ダンパー。ホイール&タイヤは18インチで、ニスモLM GT4にアドバンネオバ(245/40-18)というセットアップだ。
メーターはニスモの320km/h&1万1000rpmフルスケールに交換。ステアリングコラム上にはD-SBCを、センターコンソール上にはデフィの3連メーターをそれぞれマウントしている。
ステアリングコラム上に確認できるメーターは、F-CON Vプロを通して車両の情報をリアルタイム確認できるF-CONナビゲーター。信頼性の高い追加メーターとして活躍しているようだ。
トルク特性は3800rpmで50kgm、4600rpmで60kgmに到達し、そのトルクが5500rpmまで続くという仕様。高回転の伸びこそ今ひとつだが、中間加速はフルチューンマシンにも引けを取らないスペックへと仕上げられている。走行20万kmのボディ+ノーマルのファイナル、何より完全車検対応で300キロの大台を突破する速さは、さすが王者GT-Rである。