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現代的な快適性を徹底追及したネオ旧車チューンド
最終のRB25DEエンジン&5速ATを移植!
湾岸ミッドナイトの悪魔のZやシャコタン☆ブギ、よろしくメカドックなど、様々な改造車マンガで主役もしくはそれ相応の扱いを受けている伝説的なスポーツカー。そう、初代フェアレディZだ。“サンマル”の愛称で親しまれ、1969年〜1978年の間に世界で約50万台が販売された。
今回紹介するのは、1971年に追加モデルとして発売された240Z。“マルマンモーターズ”がオーナーから依頼を受けた時点で、すでに現在の外観になっていたためにその経緯は明らかではないが、元々はグランドノーズ(Gノーズ)を装着したZ-Gであったらしい希少モデルだ。
オーナーにとってはそんな貴重な240Zでもあることはお構いなし、大好きな相棒と長く快適にチューニングカーライフを送れるようにとアップデートを決意。そして、北海道を代表するトップチューナー“まんねんさん”率いるマルマン・モーターズの門を叩いたそうだ。
そこからディスカッションを重ね、トラブルフリーの快適性を求めてパワートレインの換装を決意。重量バランスまで含めて考えると4気筒エンジン化がベターだが、やはりZには6気筒!とのことから、RB25DE最後期型のネオストレート6(NA)をベースに選択。さらにイージードライブ度を高めるため、オートマ仕様として仕上げることとなった。
RB25DEエンジン&ミッションの換装にあたっては、程度の良いC35ローレルを1台用意。ハーネスやECUなどもそのまま移植することによって、車両製作のコストを下げつつ車両診断等も現行車同様に機能するようセットアップ。
これにより、マルマンモーターズで使用している故障診断機“G-scan”にも対応。エンジン状態のモニタリングを容易に行えるようにしたのだ。
なお、エンジンの換装はS30Zのメンバーに適合させるためオイルパンを加工。フェアレディZ(Z31)オイルパンがあれば無加工で使用できるが、廃盤になっていて入手が困難だという。
ラジエターは3層式のL型エンジン用。アッパータンクの水路を加工してRB25に適合させている。
往年のスタイルを彷彿とさせる縦デュアルマフラーはトラストの特注モデル。低速トルクを確保するためにメインパイプは60φとされている。
インテリアに関しては、オリジナルの雰囲気を極力残したいという要望があり、ATのセレクターレバー周辺以外はノーマルを維持してモディファイ。メーターは内部パーツの組み直しでC35ローレルの電子制御に対応させるなど、マルマンモーターズならではの高い技術で作られている。
ATはパワーモード、スノーモードの切り替えも活かされるなど、細部のフィニッシュにも妥協無し。
ちなみに、NA&オートマと聞くとダルな走りを想像する人もいるかもしれないが、その心配は全くご無用。なにせ、1トン弱のボディに200psのエンジンの組み合わせは、機敏なハンドリングを確保するには十分なもので、製作したマルマンモーターズ自身が「バランスが良くてビックリしました」と驚いたほど。
チューニング色は決して強くないが、季節問わず快適にいつでも240Zと出かけられる。決して強靭とは言えない旧車のボディにはこういう選択もアリなのかもしれない。
●問い合わせ:マルマン・モーターズ 北海道石狩市花川南10条1丁目1-5 TEL:0133-77-6886
【関連リンク】
マルマン・モーターズ
http://www.maruman-motors.com